いよいよ2019夏の甲子園も準決勝を迎える。
3回戦あたりから感じていた「夏が終わる寂しさ」が一気に表面化してくるが、残り2日の激闘には大いに期待したい。
大会13日目、準決勝の組み合わせは以下の通り。
| 09:00～第1試合 | 履正社×明石商 |
|---|---|
| 11:30～第2試合 | 中京学院大中京×星稜 |
地元・関西の強豪同士の対決となる第1試合と、共に準々決勝で満塁ホームランを放ったチームが激突する第2試合。
楽しみな2試合について、見どころと予想を書く。
参考：2019夏の甲子園出場校と注目選手【最新版】全地区の一覧まとめ
第1試合：履正社×明石商の予想と見どころ
圧倒的な打力を誇る履正社と落ち着いた戦いぶりが光る明石商業の一戦は、6点勝負で明石商業の勝ち上がりを予想。
その一番の要因として、履正社のエース・清水大成投手の球数が気になる。
ここまで4試合に登板して474球。休養日を挟むとはいえ、どれだけ回復するか。
個人的には二番手・岩崎峻典投手がかなり良いと思っているが、これまでの戦いぶりを見るかぎり清水投手を先発に送る気がする。
来田涼斗選手・水上桂選手の一・二番から始まる明石商業打線は力があり、中軸の重宮涼選手・安藤碧選手は甲子園でもホームランを放っている。
準々決勝では六番以降が沈黙したものの、河野光輝選手ら下位打線も良い働きを見せる。
一番の来田選手がキーマンだと見るが、実力通りの働きが出来ればこの試合で明石商業が5点以内に抑えられることは考えにくい。
また投手陣は準々決勝に続き、2年生エースの151キロ右腕・中森俊介投手を後ろに持ってくるだろう。
体力的な面はもちろん「中森投手がいつ登板するのか」は八戸学院光星戦でも大きな脅威となっていたし、終盤で両チームに与える影響力が絶大だった。
杉戸理斗投手・溝尾海陸投手は共に粘り強く素晴らしい投球を見せており、終盤まで僅差で競る戦いに持ち込みたい。二人は3年生としての意地にも期待する。
ベンチ外から甲子園で登録された宮口大輝投手の先発も十分にあり得るのではないかと思っている。
対する履正社は自慢の打力でねじ伏せる戦いが出来るか。
主砲の井上広大選手は甲子園で2本塁打11打点と当たっているほか、先頭の桃谷惟吹選手が18打数8安打と打率が4割を超える。
西川黎選手・野口海音選手ら下位打線にも力がある打者が並ぶだけに、前述の井上・桃谷両選手を乗せると手が付けられない。
また強打の裏に隠れてはいるが履正社は堅い守備にも注目。甲子園4試合でわずか1失策の守りが普段どおりの動きを見せられるか。
個人的には小深田大地選手のホームランにも期待したい。
第2試合：中京学院大中京×星稜の予想と見どころ
中京学院大中京は元謙太選手が満塁ホームランを放つなど準々決勝で作新学院を破り、優勝候補・東海大相模戦に勝利した実力をハッキリと示した。
元々打力がある上に今年の甲子園で最も乗っているチームだと言っても過言ではなく、正直、今年の甲子園は中京学院大中京が優勝すると思った。
ただ、対する星稜が準々決勝の快勝で奥川恭伸投手を完全に休ませられたことは大きい。
いかに中京学院大中京打線が好調とはいえ奥川投手を攻略するのは簡単ではないし、荻原吟哉投手・寺沢孝多投手らにマウンドを任せる選択肢も出来た。
また打線は今井秀輔選手の満塁ホームランに内山壮真線選手の2打席連続ホームランもそうだが、先頭の東海林航介選手が4安打したことが何よりの好材料。
東海林選手の出塁が増えると、やはり星稜は強い。
智弁和歌山との激戦を制して一皮むけた感のある星稜の勝ち上がりを予想する。
三番の好打者・知田爽汰選手が準々決勝での3三振をムダに気にしなければいいが…。
一方の中京学院大中京は、キーマンの一人として小田康一郎選手を挙げたい。
1年生ながらすでに中心選手としての風格がある左の強打者で、その打力は間違っても「ラッキーボーイ」などではない。
フライアウトにはなったものの、作新学院戦では明らかに詰まった打球をフェンス手前まで運んだことに度肝を抜かれた。
そしてもう一人のキーマンが増田大晟選手である。
岐阜大会では2本塁打を放ったほか5割近い打率を残してきた好打者だが、甲子園では未だノーヒット。
こういう選手が一本出すとチームは一気に乗るため「逆にラッキー」くらいの気持ちで打席に入ってほしい。
不後祐将投手・藤田健斗捕手のバッテリーをはじめ力のある選手は揃うだけに、星稜投手陣を相手に数少ないチャンスをモノに出来るか。
3点以内の点差で終盤を迎えると、中京学院大中京が一気に流れを持っていく可能性もある。
