コラム

【ベスト5シリーズ】2019シーズンで興奮をくれた選手たち

2019シーズンも大いに熱狂させてくれた高校野球。本当にドラマチックで面白い展開が多く、例年にも増して劇的な試合が繰り広げられたように感じる。

この記事の執筆が2019冬ということで、時期的にもちょうど良い(試合がなくて暇を持て余している)ので、このタイミングで2019シーズンを超主観ベースで振り返ってみたい。

語り始めると収集がつかないため、「ベスト5」で無理矢理まとめることに決めた。

ちなみに「ベスト5シリーズ」などと生意気に銘打っておきながら、次のテーマは何も決まっていない。

割とこのメディアも高校野球ファンの読者さんが多くなってきたため(いつも本当にありがとうございます)すべてに対応できる約束はできないが、なにか「これを特集してくれ!」という案があれば気軽に伝えていただけると嬉しい。

参考:【ベスト5シリーズ第2弾】2019夏に甲子園で観たかった選手たち

目次

2019高校野球で興奮をくれた選手【5位】

この選手が5位で良いのかは甚だ疑問ではあるが、夏の甲子園で衝撃を受けたのが富島の松浦佑星選手だ。

ショートのポジションで見せる守備範囲の広さや握り替えの速さは素晴らしいものがあり、絶対ありえないが27個ショートゴロが飛んでほしいと感じた。

そして度肝を抜かれたのが、並外れた「スピード」だ。

夏の甲子園・敦賀気比との試合では、ボテボテのファーストゴロさえ内野安打にしてしまった。

ピノかよ?と思ったファミスタ世代がどれくらい読んでくれているかはわからないが、とにかく速い。

三本間に挟まれる場面でも、野手が球を離した瞬間に一気にホームを陥れた走塁は見事だった。

そして何より、野球を楽しんでいることがひしひしと伝わってきたのが嬉しかった。こういう選手は伸びる。

2020ドラフト候補の敦賀気比・笠島尚樹投手から三塁打を放つなど、打撃センスも光るものがあり、走攻守三拍子揃った将来が楽しみな内野手である。

進路はどうなるのか、もしご存知の方がいればお願いだから教えてください。

参考:松浦佑星(富島)はドラフトで絶対指名してほしいほど攻守に素晴らしい

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2019高校野球で興奮をくれた選手【4位】

興奮をくれた選手の第4位は、創志学園の西純矢投手を挙げさせていただきたい。

「高校BIG4」と呼ばれた投手で2019ドラフトでは阪神から1位指名を受けた逸材だけに、あえて説明するのも野暮だろう。

西純矢投手を選出させていただいた理由は「この1年で精神的にものすごく成長した」という、そんな立派な理由ではない。

単刀直入に、U18日本代表での活躍ぶりがとんでもなかったから。

特に韓国戦でのバックホームには心底震えた。

「あー、終わった」と誰もが思ったであろうこの場面。レフト線の打球を即座に処理し、あの難しい体勢からまさに「矢のような送球」で窮地を救った。

このバックホームを古田敦也氏も「見たことない」と絶賛していたが、大げさでも何でもなくレーザービームをググったらこの送球が出てほしいくらい。

そんなに出して大丈夫か?とこっちが心配になるほど大車輪の活躍で、日本代表としてのプライドや使命感にも心を打たれた。

プロではもちろん本職の投手で勝負することになるだろうが、甲子園球場を大いに沸かせてほしい。

参考:西純矢(創志学園)は中学の球速も凄い|父への想い胸にドラフトも期待

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2019高校野球で興奮をくれた選手【3位】

いよいよベスト3に入るが、3位は前述の西純矢投手からバックホームを受けた、明石商業のイケメン捕手・水上桂選手を選出させていただく。

2019夏の甲子園の主役は星稜・奥側恭伸投手だったという声が多い一方で、それに勝るとも劣らない人気を博していた唯一の人物といっても過言ではないだろう。

そして、投手の強みを引き出すリードの上手さなど、捕手としての実力も見逃せない。ドラフトもU18日本代表の選出も決して人気だけではない。

投手とのコミュニケーションや、難しいボールを後ろに逸らさないフットワークもさることながら、思わず「うおお!!」と声が出てしまったのが夏の甲子園・八戸学院光星戦の挟殺プレーだ。

八回裏ツーアウト一・三塁のピンチでディレードスチールを仕掛けられた場面。

一塁ランナーのスタートを確認した水上桂捕手は、三塁ランナーに視線を送って釘付けにした後、すぐさま二塁へ送球した。

その正確な送球をキャッチしたショート・河野光輝選手は三塁ランナーを見た直後に一塁へ送球。

そのときすでにファーストが一・二塁間の中間あたりまで詰めてきており、三塁ランナーは動く間もなく一塁ランナーがアウトになった。

何度観ても鳥肌が立つ。

ほんの数秒の出来事だったが、相当な練習なしにこのプレーは生まれない。

そして、語弊を恐れずに言うと「このワンプレーで試合は決した」。

最高に興奮したこの場面は明石商業と、そして正確な送球から満点のガッツポーズまで一連を締めてくれた水上桂選手に心から拍手を贈りたい。

参考:水上桂(明石商)はイケメン捕手でドラフトへ|強肩強打で日本代表にも抜擢

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2019高校野球で興奮をくれた選手【2位】

第2位で取り上げさせていただきたいのが、目を疑うほどの俊足で高校野球ファンを沸かせてくれた関東一の大久保翔太選手だ。

脚力だけを見ても突出していることはもちろん、「期待感」が尋常じゃなかった。

「あいつに回せばなんとかなる」

普通なら中軸の打者に抱くような感情を味わったのは僕だけではないだろう。積極的な走塁を仕掛ける関東一のトップバッターは彼以外にありえなかった。

さらに言うと、困ったことにブラバンが奏でる応援との相性が良すぎるのだ。

西部警察の申し子や!みたいな、意味のわからないことも言いたくなってしまう。

実際のところ、熊本工戦では足で相手の守備陣を崩壊させたと言えるほど、大久保翔太選手のスピードは驚異に映っているように見えた。

高校生がプロ野球選手のような体格になったり、「力強さ」を感じる場面が増えた昨今。

こうしてスピードで勝負できる選手の価値はより高くなっているように感じるし、並み居る本格派の中で近江の林優樹投手が見せた投球術に多くのファンが感動したのもその類だろう。

この選手が全打席出塁してくれたら優勝できそうだなと、しょーもない感想を与えてくれた大久保翔太選手は、2019年を代表する「興奮」をくれた選手の一人だ。

参考:大久保翔太(関東一)の俊足が凄すぎる|攻守に光るスピードは全国一か

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2019高校野球で興奮をくれた選手【1位】

いよいよこのシリーズも1位の発表を迎えた。サラッと書くつもりが意外と力が入ってしまい、高校球児の力は偉大だなと改めて感じた。

そんな前段はこの辺にして、第1位を発表する。

2019年の高校野球で最も興奮させてくれた選手は、、智弁和歌山の黒川史陽選手だ。

なんだろう。くだらない理屈は不要とさえ感じるが、可能な限り言葉に落とす。

星稜戦で敗れた際、グローブで顔を覆いながら整列に向かった姿を思い出すと、未だに胸が熱くなるのを感じる。

黒川史陽選手の実力は楽天がドラフト2位で指名したことからも明らかだが、何が凄いかと言うと「圧倒的なリーダーシップ」だ。

これほど背中で引っ張れる主将は、そうそうお目にかかれるものではない。

敗戦後のインタビューでも「35人全員にキレた」と語っていることからもわかるように、全国制覇に向けた意志は誰よりも強かったのではないだろうか。

その気迫は観ていてゾクゾクするものがあったし、チームメイトもまた、彼と一緒に頂点を目指す気概があったように感じた。

夏の甲子園の明徳義塾戦では現チームで主将を務める細川凌平選手が値千金のホームランを放ったが、いまひとつ調子が上がらない黒川史陽選手を「このまま終わらせるわけにはいかない」想いが乗り移ったような一打に鳥肌が止まらなかった。

甲子園で敗退した翌日から練習を始める精神力はもとより、実際に国体では木製バットで結果を出したあたりもドラマしかない。

プロでも引き続き応援したい、本当に素晴らしい選手だ。

ということで、堂々の第1位に黒川史陽選手を選出させていただき、この記事を締める。

ちなみに智弁和歌山で1年生ながら四番を務めた徳丸天晴選手は、黒川史陽選手を「仙人」と呼ぶのでお忘れなく。

参考:細川凌平(智弁和歌山)は中学日本代表|ドラフト期待の俊足強打

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