2019夏の甲子園は初戦の組み合わせが決まった。
大会6日目の第2試合・東海大相模VS近江の対戦が注目を集めているが、同日の第4試合・花咲徳栄VS明石商業の試合も今大会屈指の好カードだ。
4割3分2厘のチーム打率を誇る強力打線で埼玉大会を勝ち抜いた花咲徳栄と、最速149キロの2年生エース・中森俊介投手を擁する明石商業。
予想も踏まえて、この好カードの見どころを紹介していきたいと思う。
参考:東海大相模VS近江は2019夏の甲子園を大きく左右する一戦になる
目次
花咲徳栄と明石商業の予想は?
花咲徳栄VS明石商業の一戦は、当然ながら高校野球ファンの間でも話題になっている。
まずは予想の声を見ていきたい。
花咲徳栄頑張って下さい!
予想 花咲 1 対 0 明石商#花咲徳栄#明石商業— たこ商業 (@risarisa147258) August 5, 2019
甲子園優勝予想
明石商業!!!!!
初戦が花咲徳栄戦なんだけどそこ勝ったら優勝だと思う。
逆に花咲徳栄勝ったら優勝は花咲徳栄だと…— Asano Natsuki (@A_NATSUKI_0705) August 3, 2019
近江と相模の勝者か、明石商と花咲徳栄の勝者が優勝するという誰もがしそうな予想をしておく。
— かとうのりあき (@arch_bull844) August 5, 2019
第4試合 〇花咲徳栄(埼玉)VS 明石商(兵庫)
個人的に初戦で1番面白い対決だと思っているカードの2つ目。悩みつつ、打率のいい花咲徳栄の勝利と予想する。— T.Yoshida (@1_2_4_8_16_32) 2019年8月5日
予想なんて出来ない!するべきじゃない!という声も稀に見かけるが、戦前でしかできないのが「予想」なので個人的にはアリだと思っている。
考察もなく学校名だけで決めるのはいかがなものかと思うが、仮に外れても楽しめるのが「予想」だから参考にしたい人も多いだろう。
(現に東海大相模VS近江の予想に対する反響が凄い)
そんな背景はさておき、結論から述べる。
花咲徳栄と明石商業の一戦は、以下の記事でも予想した通り、僅差で花咲徳栄の勝利ではないかと見る。
参考:夏の甲子園2019の展望予想|ベスト8に残るチームを独断で選んでみた
花咲徳栄の勝利を予想した根拠
やはりこの対決の大きな見どころは花咲徳栄の強力打線と、中森俊介投手を中心とした明石商の堅守だろう。
中森投手は150キロ近いストレートもさることながら、スライダーやスプリットなどの変化球にもキレがある。
制球力が高く、冷静なマウンドさばきも素晴らしい右腕だ。
連戦のあとならまだしも、万全でマウンドに上がる初戦で中森投手を攻略するのは至難の業だという声に対して異論はまったくない。
兵庫大会決勝で神戸国際大附を1点に抑えた投球も素晴らしいものがあった。
だからこそ明石商の勝利を予想する意見にも大いに共感の余地はあるのだけど、今年の花咲徳栄は本当に打線が良い。
今回予想するにあたって「花咲徳栄打線が中森俊介投手を攻略できるか」は大きな焦点の1つだったが、あの徳栄打線が沈黙することはどうしても想像できなかった。
故に僅差で花咲徳栄の勝利と見る。
参考:中森俊介(明石商業)の奪三振に注目|ドラフト注目右腕の球速以外の武器
花咲徳栄打線は明石商・中森俊介を打てるか
今年の花咲徳栄の打線は、埼玉大会で記録したチーム打率・4割3分2厘の数字以上の迫力を感じさせる打線である。
韮澤雄也遊撃手・井上朋也右翼手の三・四番は2017年に全国制覇を果たしたときの西川愛也・野村佑希を彷彿とさせる。
五番の羽佐田光希二塁手は5割9分3厘の打率を残しており、クリーンナップは非常に強力だ。
その前を打つ池田悠真左翼手と橋本吏功中堅手の一・二番は共に俊足強打のバッターで、それぞれ2本のホームランも記録した。
特にドラフト注目の橋本選手に関しては長打にくわえて小技もあり、今大会ナンバーワンの二番打者だと思う。
また、中井大我一塁手・田村大哉三塁手と続く下位打線も、他の強豪ならクリーンナップを打てる実力がある。
最速147キロを誇る好投手・村田賢一投手を擁する春日部共栄に7対4で競り勝った試合では、花咲徳栄打線の強さを如実に感じた。
じりじりとプレッシャーをかけて追い込んでいく戦いは見事だった。
明石商のエース・中森投手は大会屈指の好右腕であることは間違いないが、この徳栄打線を封じるのはなかなかに難しいと思う。
参考:韮澤雄也(花咲徳栄)はドラフト注目|新潟出身の逸材は西川愛也に並ぶか
もう1つの見どころ
そして、この対戦は見どころがもう1つある。
ずばり「明石商打線VS花咲徳栄投手陣」の戦いだ。
明石商業は春のセンバツでブレイクした一番・来田涼斗選手に注目が集まる。
智弁和歌山戦で見せた、先頭打者ホームラン・サヨナラホームランを1試合でやってのける離れ業はそれだけインパクトがあった。
もちろん来田選手のポテンシャルを考慮すると注目されて当然なのだろうが、明石商業の打線は他にも好打者が並ぶ。
たとえば四番を打つ安藤碧右翼手。兵庫大会で2本のホームランを放っている左の強打者で、打率は5割を超えている。
チームトップの14打点を叩き出した勝負強さも併せ持つ、素晴らしいバッターである。
二番を打つ水上桂捕手や三番・サードの重宮涼主将も好打者で、犠打を絡めた堅実な攻撃が光る打線だ。
対する花咲徳栄投手陣は、エース左腕の中津原隼太投手が中心となる。
左のサイドスローから効果的に変化球を織り交ぜるピッチングで、埼玉大会ではノーヒットノーランも記録している。
変化球が良い投手だけに、いつも通り低めに制球できるか。
春日部共栄戦で好救援を見せた左腕の高森陽生投手らも控えており、菅原謙伸捕手のリードも見ものだ。
また、大舞台に強い来田涼斗選手をいかに封じるかも徳栄投手陣としては鍵になるだろう。
来田選手が乗ると、明石商業は強い。
参考:来田涼斗がドラフト上位と言われる理由|豪快ホームランの柳田二世に注目
花咲徳栄と明石商業のキーマンは
花咲徳栄と明石商業の一戦は、かなりの好ゲームが予想される。
ロースコアの試合展開を予想する声が多いが、実力が拮抗した両チームの対戦だけに、自分たちから流れを渡さないことも重要になる。
つまり細かなミスをした方が劣勢に立たされる可能性は高い。
個人的なキーマンとしては、両チームの二番打者に注目したい。
花咲徳栄の橋本吏功選手と明石商業の水上桂選手。
それぞれ先頭打者と中軸に好打者が並ぶ打線だけに、この二人の働きはかなり重要度が高いように感じる。
注目の一戦で、どちらがチームを勢いに乗せるか。
初戦屈指の好カードが非常に待ち遠しい。
参考:花咲徳栄・橋本吏功はドラフト注目|北海道出身の俊足強打は最強二番