<2019ドラフト>

井上広輝(日大三)はドラフト上位|怪我からの成長とエースの自覚に注目

2018夏の甲子園で2年生ながら最速150キロをマークするなど、世代トップクラスの本格派として注目を浴びる日大三の井上広輝(いのうえ ひろき)投手。

「日大三史上最強」とも呼ばれ、ドラフトでも3巡目以内に指名される可能性を十分に秘めている右の剛腕ですが、2018春からは右肘の怪我で登板できない時期も続いたんですよね。

ただその期間が持つ意味は大きく、2019年6月に行われた春の王者・東邦との練習試合では同じくプロ注目の石川昂弥選手を3打数無安打に封じるなど、最後の夏を前に調子を上げてきていますから、一回り大きくなった姿が見られるのが非常に楽しみです。

優れたリーダーシップも見せるドラフト注目の右腕・井上広輝投手について特集してみました。

目次

日大三・井上広輝が誇るストレートの魅力

2019ドラフト候補として期待がかかる井上広輝投手は、最速151キロの球速がよく話題に上がっています。

身長181cm・体重81kgの体格で最後の夏に自己最速を更新する可能性は十分にあるため、もちろんスピードガンの表示にも注目なのですが、MAXの数字以上に素晴らしいストレートを持っている投手なんですよね。

抜群のノビは空振りを奪える

球速表示は数字が出ていてもバットに当てられる投手も多い中、井上広輝投手はストレートで勝負できる数少ない逸材です。

回転数が多く手元で伸びてくる球質は間違いなく世代トップクラスで、「わかっていても打てないボール」を投げられるあたり素晴らしい素質を持った投手ですね。

星稜の奥川恭伸投手や大船渡・佐々木朗希投手ら同世代にはドラフト注目の右腕がひしめくものの、井上広輝投手もまったく引けをとりません。

東京都選抜として臨んだ2018秋のキューバ遠征では5回2失点11奪三振の好投を見せるなど、国際試合でもその能力の高さを遺憾なく発揮。

コースを突けるだけでなく高低を使い分ける巧さもあり、高めのストレートを振らせて三振を奪う場面も珍しくない投手ですね!

参考:奥川恭伸が中学時代に見せた大器の片鱗|ドラフト注目右腕の根底にあるもの

平均球速もハイレベル

また日大三のエースとして君臨する井上広輝投手は、平均球速でも馬力の違いを見せつけます。

ストレートの球速は常時140キロ中盤をマークし、調子の良し悪しに関係なくマウンドで存在感を示すことができる投手なんですよね…!


しなやかな腕の振りから繰り出すストレートは抜群の球威ですし、ランナーを背負ったときに力を入れたボールは目を見張るものがあります。

まだ時々シュート回転で抜けるボールも見られますが、この辺りを修正することでワンランク上のピッチャーとして更に高みを見ることが出来るでしょう。

同じくドラフト右腕、津田学園の前佑囲斗投手も完成度の高い投球を見せますが、井上広輝投手も素質としては頭一つ抜けた存在であると思います。

参考:前佑囲斗(津田学園)がドラフトで注目される理由は球速以外にあると思う

最速はまだまだ伸びる

井上広輝投手のストレートに関して、プロのスカウトや多くの高校野球ファンが「まだまだ発展途上」との見解を示していますが、この見方に異論はありません。

本人も「夏の大舞台に立てば(自己最速は)更新できる」と自信を見せていますし、実際に西東京では競合相手の勝負が続きますからね…!

杉崎成選手が主軸を務める強打の東海大菅生との対戦も非常に楽しみで、井上広輝投手が全力で投げるマウンドはぜひ生で観たいと思います。

参考:杉崎成(東海大菅生)がホームランよりも拘るものに感じる四番の才能

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井上広輝は球速だけじゃない|変化球のキレも注目

チェンジアップは攻略困難

質の高いストレートを軸に投球を組み立てる一方、井上広輝投手は変化球も非常に良いものを持っていることでも有名です。

中でもブレーキのきいたチェンジアップは一級品で、シンカー気味に落ちる独特の軌道は空振りを量産しているんですよね。

球速120キロほどと緩急もありますし、左打者の外角へ沈めるコントロールも必見です…!

スライダー・カーブで横の変化も

さらに横に鋭い変化を見せるスライダーは決め球としても抜群の威力を発揮しているほか、カウントを整えることができる、精度の高いものを持っています。

2018春の怪我を考えるとあまり多投してほしいボールではないですが、130キロ前後で鋭く曲がるため相手打者としては脅威でしょう。

時折100キロ台のカーブも織り交ぜて目線を逸らす巧さもありますから、球速以外の投球術においてもぜひ注目してみてください。

以前、三重高校と対戦した際には5回までに11の内野ゴロアウトを築くなど、打たせて取る省エネのピッチングで試合を組み立てる器用さも兼ね備えています。

個人的には同じく大型右腕としての期待がかかる有明の浅田将汰投手との対戦が見てみたいです…!

参考:浅田将汰(有明)のドラフトに注目|150キロ間近の二刀流は夏に輝く

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井上広輝が日大三で見せた本当の成長

怪我を経験で一回り大きく

投手としての能力の高さが際立つ日大三・井上広輝投手ですが、最後の夏を前にしたピッチングを見る限り、怪我を経験したことが非常に大きかったように感じます。

怪我をしないためにできることを自然と考えたでしょうし、実際に下半身を強化してきた努力によって投球に安定感も生まれてきました。

上半身の力で投げていた投球フォームも怪我によって変わりつつありますから、将来的にみても井上広輝投手の可能性を広げるために必要な期間だったのではないでしょうか。


元々リーダーシップにも定評がある選手だけに、外からチームを見ることにより視野が広がったことも投手として大切な能力だと思います。

笑顔でマウンドに立つ姿だけでチームに勢いを与えられる選手でもあるため、最後の夏での投げっぷりには大いに期待したいですね!

小倉全由監督の教えで精神的支柱に

前述の通り、井上広輝投手は素晴らしいリーダーシップを発揮していることも見えない才能だと思います。

キューバ遠征のときにも帝京の小松涼馬選手が大暴れするきっかけを作ったのは「バットを短く持って」という井上広輝投手のアドバイスだったと言われていますし、東京都選抜の中でもミーティングなどで率先して発言する姿勢でリーダー的存在として信頼されていました。

日大三の小倉全由監督は櫻井周斗投手(現横浜DeNA)がドラフトで指名された2年間にも「背負う選手にならなきゃダメだ」と話しており、井上広輝投手もその教えを踏襲していると見えますね。

バントの処理をはじめとしたフィールディングや素早い牽制など、投じるボール以外でも魅力に溢れる投手ですから、ドラフトにも期待して応援していきましょう!最後の夏での快投を楽しみにしています。

参考:小松涼馬(帝京)は攻守で存在感|抜群の身体能力は全国トップクラス

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