2018夏に強豪・帝京で初の「1年生二遊間」が話題になりましたが、セカンドのポジションでレギュラーとして活躍したのが大阪出身の小松涼馬(こまつ りょうま)内野手でした。
ずば抜けた身体能力は名将・前田三夫監督からも「プロ入りした選手たちと比べても遜色ない」と高い評価を受けていますし、2018冬には1年生で唯一の東京都高校選抜にも選出されるなど、全国でもトップクラスの選手であることは間違いありません。
セカンドのポジションでは高い守備力で観客の目を引く一方で、ホームランも打てる打撃センスも非常に楽しみなんですよね…!
攻守にハイレベルなプレーを見せる帝京の中心選手・小松涼馬選手について詳しく見ていきましょう。
参考:2020ドラフト候補の高校生野手【最新】スカウトはどう評価する?
目次
小松涼馬が高校に帝京を選んだ理由
中学は富田林シニア出身
小松涼馬選手が本格的に野球を始めたのは5歳からで、小学時代には大伴(おおとも)フレンズでプレーしていました。
ピッチャーとして活躍する一方、チーム事情からキャッチャーとしてマスクをかぶることもあったんだとか。この頃から中心選手として活躍していたようですね。
帝京の小松君の記事を見ると嬉しく思う。大伴ブレンズで小学校1年から石川の河川敷で、お兄ちゃんに負けんように頑張っていたな。すごい選手。応援しています。
— さやパパ (@sayayoupapa) 2019年6月5日
また、富田林市立第三中学に進学してからは富田林リトルシニアに所属。
中学2年時には全国大会を経験するなど順調に成長を遂げましたが、高校は大阪から出ることはすでに決めていたのだと言います。
憧れていた帝京からのスカウト
そんな小松涼馬選手は、中学3年時に帝京からのスカウトを受けました。
中卒で即メジャーに挑戦し話題になった結城海斗投手(現ロイヤルズ傘下)と親交があったそうで、共に参加した野球教室で目を付けられたといいます。
多くの高校野球関係者が結城海斗投手に注目していたことは間違いないものの、その中で帝京から声が掛けられたのは光るものがあった証拠でしょう。
7/19(木)
選手権大会 東東京大会
@神宮球場
帝京6-2順天
#4 小松 涼馬
ここまで4打数2安打2犠打2四球.500の活躍。1年生とは思えない落ち着いた守備、小柄ながらしっかり打ち返す打撃、しれっと犠打を簡単に決める等はっきり言って最&高ですわ pic.twitter.com/DGHHb7DST0— TANO (@teikyo_narasino) 2018年7月19日
1年夏にレギュラーを掴んだ実力の片鱗は、中学時代から見えていたのだと思います。
また、小松涼馬選手の2人のお兄さんも帝京ファンだったことは、進路を決めるにあたって背中を押してくれたでしょうね…!
帝京・小松涼馬はドラフト注目の守備力
スカウトから高評価のフィールディング
1年生ながら2018夏にセカンドのレギュラーを奪取した小松涼馬選手。
2018冬には東京都選抜に選出されキューバ代表と戦うなど、前田三夫監督も認める素晴らしい内野手であることは言うまでもないのですが、特に守備では高い評価を受けています。
帝京1年生セカンド小松くん
守備うますぎる pic.twitter.com/7kB4aRW04h— kitamura miho (@miho_kitamura) 2018年8月5日
2018冬の遠征でも、セカンドのポジションで見せる軽快な守備はとても1年生とは思えないセンスがあり、東京都選抜でも東海大菅生・成瀬脩人遊撃手との二遊間は非常に高い評価を受けていました。
三年生に交じってのプレーにも関わらず、落ち着いて打球を処理している姿が印象的でしたね…!
キューバ遠征での刺激
またキューバ代表との戦いで得るものは大きかったようで、 帰国後は逆シングルの練習を多くするなど動きのバリエーションを増やしていったといいます。
日本では「打球の正面に入る」ことが幼少期から教えられますが、海外では逆シングルでの捕球も当たり前のプレーとして認識されていたりもしますから、小松涼馬選手も肌感覚として受け取るものがあったのでしょう。
遠投100メートルの強肩でもあり、セカンドベース寄りの深いところからも強い送球ができるスローイングも非常に安定感があります。
武藤闘夢選手との二遊間は全国的に見てもトップクラスですから、帝京はセンターラインにも注目ですね!
参考:帝京・武藤闘夢に感じる大物の予感|中学では全国の舞台でホームランも
帝京・小松涼馬はバッティングにも期待
勝負強いバッティング
また守備のイメージが強い一方で、小松涼馬選手は勝負強いバッティングにも定評があります。
2019春の東京大会4回戦・桜美林との対戦では9回裏に訪れた打席で、一死満塁からセンターオーバーのタイムリー三塁打を放ちサヨナラ勝ちの立役者となりました。
2ストライクに追い込まれてからも力強いスイングを見せたあたりは本当に見事ですよね…!
2019.4.13春季東京都大会
ダイワハウススタジアム八王子
桜美林−帝京
帝京3番セカンド小松君
4打数2安打4打点(勝越打&サヨナラ打)\(◎o◎)/!#高校野球 #東京 pic.twitter.com/3zG1nW7vsX— fk (@fk_fk_7) 2019年4月13日
元々ミートが上手な選手ですが、最短距離でバットを出して「より確実に」ボールを捕らえるために、打撃フォームも以前より左足の上げ方が小さくなりました。
東京都選抜として臨んだキューバとの対戦でも、一死一・二塁で回ってきた二打席目にレフト線を破る二塁打を放っているほか、三打席目でもタイムリー三塁打を記録。
1年生から「試合が楽しい」と話していた強心臓ぶりはダテではなく、前田三夫監督も「ここ一番の強さがある」と信頼を寄せていますね。
帝京でも頼れる中軸として、これから更に存在感は増していきそうな予感がします。
個人的には同じくずば抜けた身体能力が売りの147キロ右腕・藤井翔投手(東海大菅生)との対戦が非常に楽しみです…!
参考:藤井翔(東海大菅生)の球速とノビに注目|抜群の身体能力を誇る次世代エース
ホームランを期待できるパワーも
加えて、ミートの上手さで外野の間を抜く打球が目立つ小松涼馬選手は単打だけでなく、ホームランを打てる長打力にも注目です。
惜しくも試合には敗れたものの、2019春の国士舘戦で見せた同点ホームランはチームに大きな勢いを与えるものでした…!
黒澤孟朗選手や鎌田州真選手ら同世代にも良い選手が揃う国士舘とは、今後も熾烈な争いが続きそうですね。
小松涼馬選手は身長172cm・体重72kgと決して大柄ではないものの、試合の流れを引き寄せる長打が期待できる好打者。
チャンスで冷静に相手バッテリーの配球を読む冷静さも持ち合わせているバッターなので、そのパンチ力を存分に発揮して大いに暴れまわってほしいものです。
参考:国士舘・黒澤孟朗が独特フォームを取り入れた先に見据えるものは
小松涼馬は帝京のプロ入り選手に匹敵する身体能力
俊足でも魅せる
「1年生の頃から欠点が無かった」と監督から厚い信頼も寄せられている小松涼馬選手ですが、その身体能力の高さは帝京からプロ入りした先輩選手たちに引けを取らないと言われています。
前述した遠投100メートルの強肩ぶりに加えて、50メートル6秒3の俊足も兼ね備えており、まさに走攻守三拍子揃った逸材なんですよね…!
春季東京都高等学校野球大会
4回戦・第1試合
《ダイワハウススタジアム八王子》
桜美林-帝京帝京 背番号4 小松涼馬選手 pic.twitter.com/joogbZB7EA
— M⚾️ (@tokyo1118Matsu) 2019年4月13日
高校デビュー戦でも初打席で出塁したあと、いきなり二盗を決めるなど足でも魅せられる選手ですし、全身バネのような瞬発力はプレーの随所に感じます。
吸収が早く高校でも順調に成長を続けていますから、将来的にもドラフトが非常に楽しみな選手であると言えるでしょう。
実直な性格も高評価
余談ですが、小松涼馬選手は真剣に野球と向き合う真面目さや、常に明るいその性格も高く評価されています。
東京都選抜でも一学年上の先輩選手たちに交じって可愛がられていましたし、環境への適応力という点でも優れていることが伺えます。
リーダー格であったプロ注目の本格派右腕・井上広輝投手とも上手にコミュニケーションをとっていました…!
小倉監督と小松くん☺︎
三高と帝京の写真撮影の前後どっちも話しかけてたなあ pic.twitter.com/0o5og3qgM8— あおきはな (@aoaoaoki_2317) 2019年11月4日
2018夏には「2年半頑張ってきた三年生のためにも絶対に勝ちたい」と、一年生レギュラーに浮かれることなく先輩たちへの想いを口にしたこともグッとくるものがありましたね。
甲子園に出場すれば全国的に話題になる実力は十分に持っている内野手ですから、これからの成長を応援して見守っていきたいと思います。
参考:井上広輝(日大三)はドラフト上位|怪我からの成長とエースの自覚に注目