2019春の東京大会を制すなど相変わらずの強さを見せる東海大菅生で、2年生ながらマウンドで抜群の存在感を示している藤井翔(ふじい かける)投手。
身長170cm体重63kgと細身ながら、身体つきに似つかわしくない球威のストレートを投げ込む本格派右腕です。2019年5月5日に行われた愛知・愛工大名電とのオープン戦では球速が147キロをマークするなど、次世代を代表する逸材にこれからスカウトの注目が集まることは間違いないでしょう。
マウンドで見せる躍動感や負けん気の強さも、本当にワクワクさせる投手なんですよね…!
ずば抜けた身体能力を持ち将来に期待がかかる藤井翔投手について特集してみました。
目次
藤井翔は出身の豊田シニア時代にベストナイン
東海大菅生の注目右腕・藤井翔(読み方は「かける」)投手ですが出身は益富中学で、豊田シニアでプレーしていました。愛知県から進路に東海大菅生を選んだということですね。
2017年に開催された「第30回日本リトルシニア野球選手権東海大会」ではピッチャーとしてベストナインに選出されており、中学時代から能力の高さを示していたことがわかります。
豊田シニアでは高橋宏斗投手(中京大中京)とエース争いを繰り広げており、藤井翔投手は今でも強いライバル心を燃やしていますから、これから全国の舞台での対戦が実現することが楽しみで仕方がありません。
参考:高橋宏斗(中京大中京)に漂う大物感|球速だけではない豪腕の将来性
東海大菅生・藤井翔の球速150キロは時間の問題
反復練習の中で掴んだ自信
2019春の時点で最速147キロを記録している藤井翔投手。147キロというと明石商業・中森俊介投手や智弁和歌山・小林樹斗投手、日本航空石川・嘉手苅浩太投手らと並び世代トップクラスですし、150キロの大台を突破するのも時間の問題と言えるでしょう。
ただ藤井翔投手の球速に関しては伸び方にも注目なんですよね…。
1年生時の公式戦でも登板していましたが当時は130キロ台前半が主でしたから、一冬を越えて一気に一皮むけたと言えます。
またこの急成長の背景としては精神面での影響も大きく、緊張して腕が振れなかった経験からフォームを固めるためのトレーニングを続けてきたんだとか。
繰り返し行った練習の中で掴んだ自信は何にも代え難いものですし、その裏付けがあるからこそマウンドで躍動感あるピッチングができるのだと感じます。
参考:小林樹斗(智弁和歌山)は球速の伸びが異質|中谷監督が大絶賛するワケは
回転数が高い真っ直ぐ
加えて藤井翔投手のストレートに関しては「ノビが異常」だと言われており、この点も見逃せません。
真上から振り下ろす本格派らしいフォームで投げ込むストレートは回転数が非常に高く、ストレートで空振りを奪うことができるピッチャーです。
藤井翔 東海大菅生 春季大会 20190408
つま先接地。170cmの体格と縦回転意識のフォームから繰り出す直球は強い伸びを感じさせる。ガン無し球場だがこれまでの最速142km/h程度は出ているように感じた。また、推定-10km程度のスライダーは曲がりと落差が大きいにもかかわらず上に膨らまずに鋭く落ちる。 pic.twitter.com/fwEWsl0i9B— ARA (@arai_san_28) 2019年4月8日
高校生と思えないようながっしりした体格のピッチャーが最近では増えていますから、そういった点でも藤井翔投手は異彩を放っていますよね。
プロのスカウトが好みそうな将来性豊かな選手ですし、自慢のストレートに磨きをかけて甲子園のマウンドで全国の高校野球ファンに見せつけてほしいものです。
東海大菅生・藤井翔はスライダーも武器
快速球を投げ込みストレートに注目が集まる藤井翔投手ですが、非常に鋭い変化球も見ものです。
球種としては主にスライダーとカーブを投げ分けており、特にスライダーの威力は目を見張るものがありますね。
130キロ前後で大きく落ちるため、追い込まれてから低めにコントロールされると打者としてはお手上げでしょう。
小山くんと藤井くん楽しそうに話してる😳#東海大菅生#小山翔暉#藤井翔 pic.twitter.com/MKMgnezFFk
— ⚾︎em⚾︎ (@sugao_love) 2019年5月20日
その変化についてはプロ注目のキャッチャー・小山翔暉捕手も絶賛しており、大舞台での強打者との対戦でどんな投球を見せるかに期待が高まります。
球速を落とすことなくドロップのように大きく落ちるスライダーも丁寧にコントロールできるようになると、より投球の安定感が増してきそうですね…!
東海大菅生・藤井翔の注目ポイント
最後に、上記以外の藤井翔投手に関する見どころをお伝えしたいと思います。
抜群の身体能力
まずはポテンシャルの高さについてですが、藤井翔投手の身体能力の高さはチームでも群を抜いていると言います。
細身からすでに150キロに迫る真っ直ぐを投げ込んでいるあたり、体幹の強さやバランス感覚に長けていることは容易に想像がつきますが、速いのはストレートだけではなく走力も兼ね備えていました。
50メートル5秒9の俊足は世代を代表するリードオフマン・細川凌平選手(智辯和歌山)に匹敵するものがありますし、あの快速球は全身バネのような身体から生まれているものだということ。今後の成長ぶりがさらに楽しみになりますね…!
中京大中京・高橋宏斗へのライバル心
先ほども少し触れましたが、藤井翔投手は豊田シニア時代に高橋宏斗投手とチームメイトでした。
同じチームにいる本格派をライバル視するのは言わば当然のことにも感じますが、ベストナインに選出された際にも高橋宏斗投手はさらに上のMVPに輝いているんですよね。
甲子園でライバル対決を制して全国の頂点に立つことは常にイメージしているでしょうし、そういった挑戦心も藤井翔投手の魅力の1つだと感じます。
自分より身体が大きい高橋宏斗投手に負けないために、伸びやキレといった真っ直ぐの質に拘っている点もグッとくるものがありますよね!
これからまだまだ成長を遂げると思いますし、どこまでのピッチャーになるのかが本当に楽しみな逸材です。
東海大菅生は杉崎成選手ら強力打線で全国的に見ても頂点を狙えるチームですから、世代トップクラスのライバル対決が甲子園で実現することを楽しみにしながら応援していきたいと思います。