<2019ドラフト>

前佑囲斗(津田学園)がドラフトで注目される理由は球速以外にあると思う

最速152キロのストレートを武器に完成度の高いピッチングを見せる、津田学園のエース・前佑囲斗(まえ ゆいと)投手。

身長182cm・体重87kgのどっしりとした体格もプロ向きで、2019ドラフトでの指名に期待がかかる本格派右腕です。

高校入学当時の最速は128キロということで、約20キロも球速が伸びているあたり将来性も高く評価されているわけですが、ストレート以外の面も本当に素晴らしいピッチャーなんですよね。

三重県大会を勝ち抜いての甲子園出場に加え、ドラフトにも注目が集まる前佑囲斗投手を特集してみました。

目次

津田学園・前佑囲斗が見せる投手としての完成度

試合の流れを読む冷静さ

前佑囲斗投手は投手としての完成度もプロのスカウトに高く評価されているわけですが、特にマウンドで見せるクレバーな投球は素晴らしいものがあります。

得点圏にランナーを背負うピンチの場面やチームが得点を挙げた次のイニングなど、ギアを上げて上手に流れを引き寄せていくんですよね…!

言い方を変えると余力を残した状態で相手打線を抑えることができるとも受け取れますし、少ない球数で勝てるピッチングは、津田学園が夏の戦いを勝ち抜く上でも大きな武器になるでしょう。


ちなみに前佑囲斗投手はかつては初回からがむしゃらに全力で飛ばすタイプでしたが、勝負所でスイッチが入る金足農・吉田輝星投手(日本ハム)の投球に感銘を受けて投球スタイルを変えたんだとか。

試合の中でストレートも130キロ~140キロ台までを投げ分けており、1試合を通しての組み立てからも安定感の高さが伝わってくる投手です。

習志野・飯塚脩人投手らと共に臨むU18日本代表での世界大会でも存分に実力を見せつけてほしいものですね!

参考:習志野・飯塚脩人は中学で3番手|ドラフト右腕の球速が20キロ伸びた理由

相手打線への適応能力も高い

クレバーな投球が光る前佑囲斗投手は、試合中の適応能力も優れたものがあります。

2019春の東海大会準決勝では県岐阜商を2失点に抑えて完投勝利を挙げたのですが、この試合では2失点した6回にはストレートを狙われていました。

打線が良い県岐阜商だけにある程度は想定していたのか、その後は変化球主体のピッチングで見事に切り抜けています。

ここまで変化球を多く投げた試合は初めてだと語ったものの、8・9回にはまたストレート主体の投球に切り替えて相手打線を封じたあたりも見事ですよね…!

101球の球数で完投したことも、優れた投球術を物語っています。


2019春のセンバツでも敗れはしたものの龍谷大平安を相手に素晴らしい投球を披露していますし、ドラフトでもマウンドで見せる対応力は高く評価されそうです。

1学年下のピッチャーでは木更津総合の篠木健太郎投手が完成度の高い本格派として注目されているので、両右腕の投げ合いが甲子園で実現するとかなりハイレベルな戦いが見られそうですね!

参考:篠木健太郎(木更津総合)の球速は全国区|中学の東日本選抜はダテじゃない

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前佑囲斗のドラフト評価は変化球にも注目

津田学園のエース・前佑囲斗投手は150キロを超えるストレートの球速に注目が集まる一方で、変化球も非常に良いボールを持っているピッチャーです。

豊富な球種を投げ分けるため、バッターとしても的が絞りにくく攻略が難しい投手でしょう。

130キロ台の鋭いフォーク

まず前佑囲斗投手打者の持ち味として挙げられるのが、130キロ台前半のフォークボールです。

決め球として空振りを奪うというよりも、凡打を築くためのボールと言えるでしょうか。

落差はそこまで大きくないものの打者の手元で鋭く落ちるため、芯を外して内野ゴロを打たせやすいんですよね。

実際に2019春のセンバツ甲子園でも龍谷大平安打線から奪ったアウトの半数近くが内野ゴロでしたし、チームにリズムをもたらす上でも非常に効果的であることがわかります。

精度の高いスライダー

またスライダーの精度が高いのも前佑囲斗投手の特徴で、カウントを整えるボールでもコースを突ける巧さがあります。


特に素晴らしいのが右打者に投じるボールですね。

右打者のインコースにもスライダーをコントロール出来るため、アウトコースに投げる速いストレートも自然と際立ってきます。

そのほかツーシームに加え100キロ前後のカーブで緩急も上手に使えるピッチャーですから、ドラフト確実と言われるのも納得ですね!


東海大札幌の150キロ右腕・小林珠維投手はバッターとしても素晴らしい選手ですから、上の舞台で投げ合いや対戦があると嬉しいです…!

参考:小林珠維(東海大札幌)はドラフトで球速以上に評価されていい

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前佑囲斗は質の高いストレートも健在

最後に少しだけストレートにも触れてこの記事を締めたいと思います。(一応我慢したのですが…!)

以前から球速の伸びには注目されていた前佑囲斗投手ですが、冬の練習では特にボールの質に拘ってトレーニングを続けてきたと言います。

かなりキレが良くなったと前佑囲斗投手本人も体感しているそうで、力をセーブした130キロ台のボールでも打たれないのはここに秘訣がありますね。

「以前は前に飛ばされていたボールがファールになる」とも語っていました。


年明けには中日をはじめ7球団のスカウトが挨拶に訪れたことも注目度の高さを象徴していますが、最後の夏でさらに評価を上げるのではないかと感じます。

余談ですが、前佑囲斗投手は津田学園が初戦敗退を喫した2018夏にリリーフで登板してサヨナラ負けを喫しています。

2年生として最上級生の夏を終わらせてしまった責任も感じたであろうことは想像に難くないですし、「人生で一番泣いた日」とも語っていました。

この敗戦の悔しさを糧に成長を続けてきたわけですが、本当の意味でこのときの雪辱を果たすのは甲子園やプロの世界で活躍したときなのだと思います。

2019ドラフト注目の右腕として、前佑囲斗投手と津田学園の夏を追い掛けていきましょう。

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