2019ドラフトの目玉としてスカウトからの注目を一身に浴びている大船渡・佐々木朗希投手。
U18日本代表合宿で最速163キロをマークしてからは一挙手一投足が話題になっており、最後の夏をどう戦うのかにも期待がかかりますね。
そんな佐々木朗希投手は中学時代ですでに140キロを超える球速をマークしていたわけですが、その裏で大器ならではの悩みを抱え、人知れず挫折も味わっていました。
あのとき流した涙によって今が作られたといっても過言ではないため、ドラフト注目右腕の過去を覗いてみました。
目次
佐々木朗希投手は中学で身長が一気に伸びた
出身は大船渡第一中学
岩手県陸前高田市の出身である佐々木朗希投手は、震災の影響で大船渡に移りました。
野球は小学3年生から始め、大船渡第一中学では軟式でプレー。中学3年の夏にはオール気仙で出場した「Kボール東北大会」での準優勝に貢献しています。
大船渡、佐々木くん。
160キロ pic.twitter.com/OxQU0eMzaD— 野球⚾️ (@18baseball56) 2019年7月21日
入学当初は身長160cmほどと中学1年生にしては大柄だったものの、大船渡第一中学でコーチを務めていた鈴木賢太さんは佐々木朗希投手との出会いに関して「特にすごい子という印象はなかった」と語っていますね。
卒業時には身長が180cm超え
しかし佐々木朗希投手は中学時代で一気に身長が伸び、大船渡第一中学を卒業する際には180cmを超えていたといいます。
現在は190cm・82kgの体格で注目されていますが、長身として話題になったのは中学の頃だったことがわかりますね。
ちなみにこの頃の佐々木朗希投手は野手としても高いポテンシャルを見せつけており、強肩を活かしてセンターゴロを記録したこともありました。
大船渡佐々木くん、
勝ち越しツーラン!えぐすぎ!!! pic.twitter.com/VJWuP7qDwT
— Akira Nakashima (@akira89921020) 2019年7月21日
また、飛距離が出にくいソフトボールを使用してのバッティング練習でも90メートル以上飛ばし、柵の向こう側にある仮設住宅の夜間照明を割ったんだとか…!
ピッチャーとしてのずば抜けた資質ゆえに投球に期待が寄せられる一方で、バッティングにも非凡な才能を持っていることがわかりますね。
球速140キロ超えで強豪からスカウトも
身長の伸びと共にどんどん速くなっていったストレートは、中学2年生で130キロを超えたと言います。
手元でホップするような軌道で空振りを量産したとのことですが、球速はさらに伸びて3年時の最速は141キロをマーク。
大阪桐蔭や花巻東など県内外の強豪校からスカウトされたのも必然だったように感じますね!
本格派右腕の西舘勇陽投手を擁する花巻東との対戦は、ぜひ岩手県大会で見てみたいものです。
佐々木朗希投手は「令和の怪物」だが、その上に武士道を貫く少年だったことが分かった。
中学時代に強豪校の大阪桐蔭、花巻東などからの誘いをすべて断っていた。
その理由は「地元の仲間と打倒私立で甲子園を目指す」
これからが楽しみな若き武士が現れたということだ! pic.twitter.com/LVVxmGB1Si
— モ-ルの嘆き! (@satikoakio) 2019年4月8日
ちなみに球速は高校1年の2017夏に147キロ、2018夏には154キロと驚異の右肩上がりを見せています…!
一部では170キロを超える可能性も囁かれていますが、2019春にマークした163キロの球速が今後どこまで伸びるのかも本当に楽しみですね。
参考:西舘勇陽(花巻東)はドラフト注目|一戸出身の大器は夏に化けるか
佐々木朗希が中学時代に味わった挫折
急激な身長の伸びによる故障
大船渡第一中学時代に大きく成長した佐々木朗希の身体ですが、急激な変化に対応できず、3年間で20cm以上も大きくなった裏では故障にも悩まされたと言います。
中学時代に膝の成長痛などを経験している人は少なくないと思いますし僕自身もその一人ですが、普通に歩くことも困難だったり本当に大変ですよね…。
実際に佐々木朗希投手は2年秋に発症した股関節痛に悩まされたようで、3年になってからも完治することはありませんでした。
中学1年生の6月に地区大会初戦でマウンドに上がった佐々木朗希投手は、粗削りながら球威のあるボールで注目を浴びたそうですが、身体の成長に伴って徐々に登板が少なくなってしまったというのは何とも皮肉なものです…。
野球を辞めようかと悩み流した涙
中学最後の夏に向けてチームメイトがグラウンドを駆け回る中、佐々木朗希投手は怪我との戦いが続いたと言います。
胸には焦りがあったであろうことは想像に難くないですし、思うように動けないことへの葛藤や悔しさなど様々な感情が渦巻いていたことでしょう。
実際に野球を辞めようかと悔し涙を流したこともあったとのことで、順調に成長を遂げてきたように見える裏側にあった物語に感動してしまいました。
星稜・奥川恭伸投手も中学で挫折を経験していましたが、佐々木朗希投手もドラフトの目玉として期待がかかる華々しさの背景には苦悩と戦った日々があったんですよね。
ただ、この中学時代の苦悩の日々が佐々木朗希投手を大きく成長させたことも事実で、単に落ち込んでいただけではありません。
参考:奥川恭伸が中学時代に見せた大器の片鱗|ドラフト注目右腕の根底にあるもの
佐々木朗希の「今」が作られた中学時代
あの頃の汗によって出来た土台
故障と戦う苦悩の日々を送っていた佐々木朗希投手ですが、投げられない悔しさを胸に抱えながらも体幹を鍛えたりストレッチを繰り返すなど汗をかき、ひたすらに土台作りに励んでいたと言います。
中学では180cmを超える身長に対して体重が60kgほどと線が細い選手でしたから、身体を作るのが先決であることを理解していたのでしょうね。
バランス感覚や柔軟性なども含め、佐々木朗希投手の今があるのは間違いなく中学時代に重ねたトレーニングの賜物です。
昨日の大船渡高校・佐々木朗希の練習試合に登板するシーン・ω・
夏の大会前の最後の練習試合は3回6奪三振無失点、150キロ前後のストレートを連発ですか👀
軽く投げてるように見えるのに、これだけの球を投げられる姿を見る度に高校生とは思えなくなってくる。
いよいよ本番の夏予選、健闘を祈る😎⚾ pic.twitter.com/YR56mgGAk4
— やすぽんくん(新垢) (@yasumaro_0421) 2019年7月1日
科学的なデータから「まだ身体が出来てない」などとの報道も散見されますが、それは事実なのだと思いますし大切に育ってくれることを願います。
ただ、佐々木朗希投手が人知れず流してきた汗も絶対に見落としてはいけないと思うんですよね。
少なくとも僕は中学時代の取り組みを知ってからもっと応援したくなりましたし、これからも楽しみに成長を見守っていきたいです。
仲間との絆もドラマ
最後に、佐々木朗希投手が数々の強豪からの誘いを断った理由として「中学の仲間と甲子園に出たい」との想いがあったことは有名なエピソードですが、辛い中学時代を支えてくれた仲間たちへの気持ちからも高い人間性が伺えます。
同じくプロ注目の二刀流・浅田将汰投手も同じような理由から有明高校に進んでいますが、本当にドラマですよね…!
佐々木 朗希投手。
大船渡第一中では軟式野球部に所属し、3年夏にオール気仙でKB東北大会準V。
大震災の影響で陸前高田市から大船渡市に移住した。
「中学の野球が楽しくて。その仲間と一緒に甲子園に行きたい」と強豪私学には進学せず、地元の大船渡を選んだ。
漫画の主人公キャラじゃん— katsulow (@sisterhiyosu) 2018年7月10日
甲子園をかけた戦いやドラフトでの指名はもちろん、メジャー挑戦なども含め、これから佐々木朗希投手が大きく羽ばたいていくことは間違いないですが、根底にある中学時代の経験や仲間は今後も自分を支えてくれる大きな要素になるでしょうね。
前人未到の領域を目指して戦う大船渡・佐々木朗希投手を、これからも応援していきたいと思います。