2019ドラフト1位でヤクルト入りした奥川恭伸投手のあとを担う、星稜の次期エース候補と目されている寺西成騎(てらにし なるき)投手。
1年の2018夏にも甲子園デビューで注目された逸材ですが、2019秋以降の新チームでも中心選手としての活躍が楽しみな本格派右腕です。
中学時代にはU15日本代表に選出されてクローザーを務めたほか、「体育会TV」にも出演を果たしており当時から高校での活躍が期待されていましたね!
186cmの長身を生かした力強い投球でエリート街道を走ってきたピッチャーですが、注目を浴びる裏には2018夏の甲子園で経験した挫折もありました。
2020年のドラフトにも期待がかかる寺西成騎投手について、詳しく見ていきましょう。
目次
寺西成騎は中学時代から注目の逸材
U15日本代表で横浜からもスカウト
高校野球界屈指のレベルを誇る星稜投手陣の一角を担う寺西成騎(なるき)投手は能美市立根上中学の出身で、U15日本代表への選出をはじめ中学時代からポテンシャルの高さを見せつけていました。
クローザーとして3試合に登板し無失点にまとめるなど、最速141キロをマークしていた剛腕ぶりを世界の舞台でも遺憾なく発揮。軟式で140キロが投げられるのは相当速いですからね…!
オーバーハンドから投げ下ろすボールは角度もありますし、進路を決める際には数多くの強豪校から声が掛かったそうです。
木下幹也投手ら同学年にも好投手を擁する横浜高校からもスカウトされたとのことで、甲子園の舞台で対戦にも大いに期待しています。
参考:木下幹也(横浜)の魔球に注目|中学全国MVPの本格派は球種でも翻弄
体育会TVでは阪神・福留から空振り
また中学時代に寺西成騎投手を有名にしたのは「体育会TV」への出演も大きかったでしょう。
寺西くん すご!#寺西成騎 pic.twitter.com/qSPNlxG6NX
— 76歳OL (@caw534021) 2018年1月20日
体育会TVの企画ということで公式戦ではないですし、この日にピークを持ってきたとは考えにくいものの、現在は阪神で主軸として活躍する福留孝介選手からアウトローのストレートで空振りを奪うなど、実力が垣間見えたのは間違いありません。
同じようにテレビで知名度を上げた山村崇嘉選手(東海大相模)も全国的な選手として成長していますし、この世代は本当に楽しみな選手が多いですね…!
参考:東海大相模・山村崇嘉がホームラン量産|二刀流はどちらでプロ入りか
ドラフト注目・寺西成騎は星稜でも1年から甲子園
星稜でも入学早々にベンチ入りを果たした寺西成騎投手は、2018春から公式戦でもマウンドに上がっています。
北信越大会の対関根学園(新潟)戦では5回を投げて被安打はわずかに2。
6奪三振・無失点の好投を見せるなど、実力を発揮して夏の甲子園でもメンバーに選ばれました。
1年生とは思えない投げっぷりは見事なものがありましたね…!
寺西成騎①(根上中→星稜高校)
対藤蔭戦での投球
自己最速となる143㌔の直球をマークするなど圧巻の甲子園デビュー pic.twitter.com/xGFhvvkOOo— おくら (@okura_NHSBC) 2018年8月5日
甲子園の大舞台で中学時代の自己最速を更新する143キロを叩き出していますし、大舞台に強いこともピッチャーとしては大きな資質の1つと言えるでしょう。
キレのスライダー・カーブに加え、130キロを超えるフォークボールにも注目と、今後の活躍からは目が離せません。
ドラフト注目の寺西成騎が星稜で成長を続ける裏側
1年生時に甲子園を沸かせ、2019春にも強豪がひしめく北信越大会での好投。2020ドラフトが楽しみな投手であることは言うまでもありません。
しかし寺西成騎投手が星稜に入学してからの道は決して平たんではなく、大投手になるために大事な試練があったんですよね。
順風満帆ではないあたり、さらに大きな魅力を感じました…!
甲子園で済美に逆転スリーランを被弾
まず寺西成騎投手が味わった大きな挫折として挙げられるのが、2018夏の甲子園・済美戦での被弾でしょう。
一死満塁の場面で登板した8回の裏にスリーランホームランを浴びるなど5失点。
前に投げていた竹谷理央選手から受け継いだマウンドのため自責点こそ少ないものの、ワンサイドゲームをひっくり返された敗戦は苦い思い出となったに違いありません。
火消し役として送り出されていることは百も承知だったでしょうし、ピッチャーとしてはもちろん、ひとりの野球人としても気持ちが熱くなる場面でしたからね。
事実、新チームとなった2018秋にはフォームの乱れから調子を崩しており、わずか6イニングの登板に止まったほか、神宮大会での登板はまさかの「0」でした。
この悔しさが冬を乗り切る発奮材料となったことは想像に難くないので、急激に伸びた球速からもストーリー性がひしひしと伝わってきます。
1年生ながら主力として出場していた内山壮真選手らと共に、ぜひ甲子園で雪辱を果たしてほしいものです。
参考:内山壮真(星稜)はドラフト確定の逸材|俊足強打で小園超えなるか
ライバルの存在は星稜にとっても大きい
また寺西成騎投手が成長を見せる背景には、ライバル投手の存在も欠かせません。
エース右腕・奥川恭伸投手に左腕の好投手・寺沢孝多投手とマウンドを争うピッチャーがいることはもちろん、同学年で侍ジャパン出身の荻原吟哉(おぎはら ぎんや)投手の存在はかなり大きいように感じます。
星稜中時代から130キロを超えるストレートと鋭いスライダーを武器に活躍していた右腕を意識しないはずもなく、実際にインタビューでも「荻原には絶対に負けたくない」と語っていましたね。
星稜が準優勝を果たした2019夏の甲子園では荻原投手の活躍が目立ちましたし、胸に期すものもあったでしょう。
競争意識が投手陣全体の底上げに繋がっていることは間違いないですから、切磋琢磨しつつ、ぜひ甲子園の舞台でその実力を見せつけてほしいなと。
甲子園で優勝したとき、あるいはプロで活躍したときなど、1年生時の苦い経験が本当の意味で報われるタイミングは必ず来るはずですし、寺西成騎投手のこれからをしっかりと応援していきたいですね!
参考:荻原吟哉(星稜)は抜群の制球力で魅せる|中学全国制覇の本格派右腕
寺西成騎は北信越大会で球速150キロ?
2019年6月3日に行われた北信越大会準決勝・富山第一戦で、寺西成騎投手が150キロをマークしたとの速報が入りました。
いつかは投げると思っていたけど早過ぎる!と興奮したのですが、どうやら投げる方ではなかったようですね…!
打球のスピードが出たと思います。打った後150が出ました!
— いけだてつや (@ikeda31) 2019年6月3日
潜在能力は非常に高いものを持った投手だけに、今後の覚醒に期待せずにはいられません。
星稜はこれからも全国的に注目を浴びるチームであることは間違いないですし、寺西成騎投手には中心となって投手陣を引っ張ってくれることを楽しみにしています!