2020ドラフト投手

木下幹也(横浜)はドラフト期待|中学の全国MVP右腕は球種でも翻弄

神奈川の名門・横浜高校で1年生からベンチ入りを果たし、注目を浴びていた木下幹也(読み方は「きのした もとや」)投手。

世田谷西シニアに所属していた中学時代には全国大会で優勝を収めMVPに輝くなど、当時から進路も話題になる逸材でした。

最速144キロのストレートは伸びがあり球速に期待がかかりますが、制球力がある上に球種が豊富で非常に完成度が高いんですよね。

中学時代には「魔球」と呼ばれていた伝家の宝刀・ツーシームも巧みに操り、奪三振だけではない投球術も持ち合わせています。

2020年にはドラフト指名にも期待がかかる本格派右腕・横浜高校の木下幹也投手について特集してみました。

参考:横浜高校の2020新入生は?メンバーは注目選手がズラリで期待大!

目次

木下幹也の出身は世田谷西シニア|全国制覇でMVP

身長185cm・体重85kgと恵まれた体格から140キロ台中盤のストレートを投げ込む木下幹也(読み方は「もとや」)投手ですが、中学時代からその進路に注目が集まる逸材でした。

小学生の頃にはジャイアンツジュニアに選出された実力の持ち主で、中学では名門・世田谷西シニアへ進みます。

中学3年生で出場した2017年リトルシニア日本選手権大会では三番・ピッチャーでチームの中心選手として活躍して優勝。見事MVPに輝きました。

このとき決勝で対戦した佐倉シニアは西川僚祐選手(東海大相模)角田勇斗選手(習志野)らを擁し、非常に高いチーム力を誇っていましたし、強豪相手に勝利した立役者が木下幹也投手だったことは言うまでもありません。

ちなみにこの頃に木下幹也投手は「ビートたけしのスポーツ大将」でテレビ出演も果たしており、西川遥輝(日本ハム)や松田宣浩(ソフトバンク)と対戦。

中学生とプロの打者が対決する企画でしたが、西川をショートゴロを打ち取った後、松田からは三振を奪いお茶の間を沸かせました。

当時からすでに球速は140キロを超えていましたから、中学日本一の実力をまざまざと見せつけた形になりましたね…!

参考:東海大相模・西川僚祐はドラフト確定の逸材|広角打法で清宮超えなるか

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ドラフト期待の横浜・木下幹也は豊富な球種で翻弄

縦横の変化球が豊富

中学時代に日本一&MVPの快挙を成し遂げた木下幹也投手は横浜高校進学後も1年生夏から背番号19でベンチ入りし、2016年のドラフト1位で指名を受けた先輩・藤平尚真(楽天)と比較されるなど大物感を漂わせています。

そんなスカウト注目の本格派右腕ですが、150キロに迫る球速はもちろん、豊富な球種も大きな武器になっているんですよね。

スライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップを操る上に、スライダーは縦横2種類の変化を持っています。

また決め球として投じているフォークは球速130キロで落ちるため、いわゆる「スプリット」と呼ばれるボールで、追い込まれた打者としては非常に見極めが難しいことは間違いありません。


加えて、中学時代には「魔球」と称されたのがツーシーム。

ストレートに近い球速を保ちながら打者の手元で変化するボールですが、木下幹也投手が凡打の山を築く背景としてはこのツーシームが一役買っています。

奪三振率だけではない投球術

2018秋の神奈川大会・桐蔭学園戦では4回2/3イニングを投げて7個の三振を奪うなど、本格派らしく三振がとれるピッチャーであることは見ての通りですが、ツーシームなど変化球を駆使したピッチングも出来るのが木下幹也投手の評価が高い理由です。

伸びのあるストレートを武器に奪三振率が高い上に、変化球もキレるとなると高校生レベルではなかなか太刀打ちできないですよね…!

2019年4月13日に行われた春季神奈川大会3回戦・星槎国際湘南戦でも12回を投げて2失点、15奪三振の好投で延長戦勝利の立役者となりましたが、春から背番号1をつけた新2年生右腕の投球は非の打ち所がない内容でした。

ちなみに1年生時には簡単にストライクを取りに行ったところを痛打される場面も見受けられましたが、これも制球力に自信を持っていることの裏返しと言えるでしょう。

投球の組み立てを意識するだけで1ランク上のピッチングができるようになったとも言えます。

こういったスター投手には球速にこだわりすぎたり、三振を狙いに行きすぎて自滅するといった傾向も見られるものですが、センバツ敗戦からの成長を考慮すると名門・横浜の背番号1をつけるのも納得です。

同世代の投手で唯一U18日本代表候補に選出されている本格派左腕・松本隆之介投手とも良きライバルとしてお互いを高めあってほしいですね。

参考:松本隆之介(横浜)がドラフト上位と注目される球速以外の理由とは

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横浜・木下幹也は悔しい経験をバネにドラフトなるか

1年夏はベンチ外

ジャイアンツジュニアに選出されて世田谷西シニアでは全国制覇にMVPと、言わば「野球エリート」の道を突き進んできた木下幹也投手も、高校ではしっかりと壁にぶつかっています。

1年夏の神奈川予選では2試合に登板してリリーフで無失点と結果を残すも、甲子園メンバーの18人からは外れる結果に。

高校BIG4の一角・一学年上の及川雅貴投手らとの競争が熾烈だったことは言うまでもありませんが、甲子園のグラウンドに立てなかったことは「悔しくない」と言えば嘘になるでしょう。

参考:及川雅貴(横浜)はロッテ出身|中学時代は日本代表で最速140キロ

2019春センバツの明豊戦で3失点

加えて、甲子園初登板となった2019春のセンバツ大会も苦いものとなりました。

大分・明豊高校との試合に三番手として登板するも2回2/3を投げて3失点の厳しい内容。チームも5対13と大差で敗れています。

明豊はクリーンナップを務める布施心海選手ら好打者揃いですし、この試合では特に打線が活発で勢いづいていました。抑えるのが難しい相手であることは間違いないのですが…。

木下幹也投手としては当然、納得できる投球内容ではなかったでしょう。

参考:明豊・布施心海の打撃センスに注目|大阪桐蔭・福井元主将との絆も

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横浜・木下幹也は2020ドラフトでも期待

苦しい経験をしてきたからこそ、高校最後のシーズンでの木下幹也投手の快投に期待してしまうのは僕だけではないはずです。

2019春季大会でプロ注目の153キロ左腕・及川雅貴投手を差し置いてエースナンバーを背負わせたのはもちろん投手陣の競争心を煽る狙いもあるのでしょうが、平田徹元監督の期待の表れとも見てとれますよね。

もっとも今の時代は絶対的エース一人で甲子園を勝ち抜くことが難しくなっていますし(金足農・吉田輝星の事例があって言いにくいですが)、横浜高校が激戦区・神奈川を制し再び甲子園で躍進を見せるためには間違いなく木下幹也投手の活躍が必要になります。

高校での挫折をいかに自身の成長に繋げていくのか、その奮起に期待せずにはいられません。


日本球界を代表する巨人のエース・菅野智之投手もドラフトで思い通りにいかないドラマがあったからこそ、その輝きがより際立っていますし。悔しさをどれだけ成長に繋げていけるかは、野球選手として大切な資質の1つですよね。

及川雅貴投手、松本隆之介投手と好投手が揃う横浜は2020夏にも優勝候補として挙げられるでしょうが、山村崇嘉選手ら強打を誇る東海大相模など相変わらず神奈川県は激戦です。

強打者相手に木下幹也投手は今後どのようなピッチングを見せるのか。2020ドラフトに向けてアピールしていくのかを楽しみにしつつ、引き続き応援していきたいと思います。

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