群馬ナンバーワン左腕との呼び声高い、前橋商業のエース・井上温大(読み方は「はると」)投手。
最速146キロのストレートと精度の高い変化球を操るサウスポーで、2019ドラフトでの指名にも注目が集まっています。
質の高い真っ直ぐは球速以上のキレを感じることに加え、中学時代の進路選択で見せた芯の強さからも精神的な強さが見てとれる好左腕なんですよね。
この記事ではドラフト注目の左腕、前橋商・井上温大投手の魅力に迫ります。
目次
前橋商・井上温大の将来性にスカウトが高評価
ヤクルトのスカウトが「高校左腕で5本の指に入る」とコメントするなど高い評価を受けている前橋商業のエース・井上温大投手。
ドラフトにも期待がかかりますが、現時点での実力はもちろん、将来性も見込まれています。
抜群に綺麗な投球フォーム
まず井上温大投手の投球で一番に目につくのが流れるような投球フォームでしょう。
左肘の使い方も柔らかく、お手本のようなフォームから内外角への投げ分けが出来るピッチャーです。
群馬大会@高崎城南
富岡0-1前橋商(5回終了)前橋商の井上温大はここまで被安打3、無四死球、5奪三振。1回から3回まで毎回先頭打者にヒットを打たれるも、徐々に調子を上げて4回、5回はノーヒットに抑え、打者6人から4奪三振。ここまでの最速は139。 pic.twitter.com/m17pGtahyq
— Nishio Norifumi (@ajihiraita) 2019年7月9日
ソフトバンク・工藤監督の動画を参考にして投球フォームを固めたという背景にも納得ですね!
ゆったりとしたモーションは無駄な力みもなく、潜在能力がスカウトから高い評価を受けていることも何ら不思議ではありません。
「帽子が飛ぶときは調子がいい」と語っているように投げっぷりも良く、躍動感のある投球フォームは見ていて気持ちのいいサウスポーです。
体格的にも伸びしろが十分
井上温大投手は身長174cm・体重68kgと、投手としてはやや小柄な印象を受ける一方で、これからの大きな伸びしろも感じさせます。
現在もバランスのとれた体格ではあるものの、今後のトレーニングで身体は一回り・二回りと大きくなるでしょうし、さらに球威が増すことを想像してもプロで活躍する資質は十分だと言えるでしょう。
投球フォームが綺麗なため怪我の心配も少ないですから、将来のローテーション候補として指名したい球団が多いのも頷けますね。
タイプ的に近い、U18日本代表候補の高松商・香川卓摩投手とはドラフトでの評価がどう割れるのかも見ものです…!
参考:香川卓摩(高松商)はドラフト注目|中学から四国屈指の左腕は抜群のキレ
井上温大がドラフトで注目される3つの理由
前述の通り、将来性が高くドラフトに期待がかかる井上温大投手ですが、注目すべきポイントは大きく3つあります。
球速以上に質が高いストレート
最速144キロのストレートにはキレがあり、まだまだ球速が伸びることは間違いないと思います。
ただ、球速以上にスピードを感じるのも井上温大投手の大きな魅力の1つなんですよね…!
前橋商の井上良い投手やね
ガン表示以上にストレートが速く見える— Sakakatsubox (@sakakatsubox) 2019年7月10日
ストレートで空振りを奪えるあたりにも球質の良さを感じますし、2019春の県大会・嬬恋戦で見せた6者連続三振は圧巻でした。
同じくドラフト候補として注目の近江・林優樹投手も素晴らしいキレがありますが、井上温大投手は回転数が多い真っ直ぐを投げられる投手だけに、140キロ台後半に球速が伸びてくるとさらに手が付けられなくなるのではないでしょうか。
参考:林優樹(近江)がドラフト候補の高校生左腕で一番気になるのはなぜか
自在に操る変化球
キレのあるストレートに注目が集まる一方で、井上温大投手は変化球も投球の軸として据えられるボールを持っています。
特にスライダーは決め球として三振を狙える上に、カウントを整えるボールとしても有効で、状況によって投げ分ける器用さも感じました。(曲がり幅の異なる2種類の変化を操っているそうです)
左打者の外角に右打者のインコースと鋭い変化で抉ってきますから、対戦するバッターの反応を見るかぎり攻略は至難の業であるように思いますね。
加えて緩いカーブにチェンジアップと緩急も使えるため、夏の主役になれる実力は十分に秘めている投手です…!
打者を手玉にとる投球術
また井上温大投手は1つ1つのボールも素晴らしいものを持っていますが、相手打線を翻弄する投球術にも長けています。
もちろんコースを突ける制球力が優れているは言うまでもなく、この辺りの完成度の高さも視察に多数スカウトが訪れる理由でしょう。
7月9日に行われた夏の県大会1回戦・富岡戦には9球団のスカウトが視察に来ていましたからね…!
結果は負けだったけど前橋商の井上君ナイスピッチングでした❕ pic.twitter.com/BibgVtlgmD
— 終着駅は始発駅 (@3jyahi) 2019年4月28日
相手打線が「追い込まれる前」に勝負を仕掛けるよう徹底してくる場面もあるでしょうが、変化球主体のピッチングも出来るため、単に早打ちになると術中にはまります。
ちなみに2019春には健大高崎に敗れたものの、井上温大投手は5回を2安打無失点とほぼ完ぺきなピッチングを見せました。
このときの7奪三振の投球は、ドラフト注目選手に躍り出るには十分なインパクトがありましたね…!
最後の夏にも甲子園出場をかけた対戦はありえますから、強打の1年生スラッガー・小澤周平選手らとの対戦も非常に楽しみです。
参考:小澤周平(健大高崎)はベイジュニア出身|驚異のスイングスピードに注目
井上温大が中学時代に見せた投手の資質
ドラフト注目の前橋商・井上温大投手は、出身の前橋市立大胡中学でもピッチャーとして活躍していました。
高校でも1年秋からベンチ入りしており、ポテンシャルの高い選手であったことは間違いないのですが、進路を決める際には「強豪私立を倒したい」との想いから前橋商でプレーすることを決めたと言います。
2019/7/23 前橋商 井上温大
この日最速141キロ、平均130中盤ほどの球速も、力を込めた時のボールのキレは素晴らしい。フォームが柔らかく綺麗なので身体が出来てくればまだまだ伸びて行きそう。チェンジアップを磨きたい pic.twitter.com/RzFOEHkgSh
— ふり (@MrFullswing7) 2019年9月3日
ドラフトの目玉として注目されている大船渡の佐々木朗希投手や、有明の二刀流・浅田将汰投手もそうですが、「強豪を自分の力で倒す」という強気な姿勢はピッチャー向きでもありますよね。
実際に井上温大投手もマウンド上では内角を積極的に攻めていく点など強気なピッチングが目立ちますし、精神的な強さを見ても好投手の資質が備わっているように感じます。
前橋育英や健大高崎をはじめ、群馬の争いもかなり熾烈ではありますが、最後の夏での快投に期待したいですね!
参考:佐々木朗希が中学時代に経験した挫折|ドラフト注目右腕の苦悩と涙