強豪・山梨学院で1年夏から県大会のベンチ入りを果たした小吹悠人(こぶき ゆうと)内野手。
2019春のセンバツでもショートでスタメンとして出場し、持ち前の強肩で内野の中心として活躍を見せました。
いわきボーイズに所属していた中学時代には投手としてボーイズ日本代表にも選出された逸材で、同じく1年からマスクをかぶる栗田勇雅捕手とは当時バッテリーを組んでいたんですよね。
いわきボーイズから揃って山梨学院入りした二人ですが、栗田勇雅選手に抱いている強いライバル心が小吹悠人選手の原動力になっている点も見逃せません。
関東大会や甲子園といった舞台での活躍に期待がかかる大型ショート・小吹悠人選手について詳しく見ていきましょう。
目次
小吹悠人は中学時代にボーイズ日本代表
身長180cm体重81kgの大型ショートとして注目を集める小吹悠人選手は、中学時代から進路が話題になる有名な選手でした。
小学生の頃には楽天イーグルスジュニアにも選出された経験を持ち、出身の小名浜第二中学では硬式のいわきボーイズでプレー。
東日本報知オールスター戦では東北選抜に選ばれたほか、ボーイズ日本代表として世界大会も経験しています。
このときの日本代表のメンバーには高校1年生時から活躍を見せているメンバーも多く、同じ関東地区の高校に進んだ花咲徳栄・井上朋也選手や作新学院・横山陽樹選手は甲子園で躍動していましたね!
山梨学院
小吹くんがんばれι(`ロ´)ノ pic.twitter.com/3RFR4sWnJW— ゆうくん@県営の妖精 (@fukada_yu2) 2019年10月21日
ちなみに小吹悠人選手は中学時代にはピッチャーとして活躍しており、ショートの守備でも高く評価されている正確で力強いスローイングは投手経験の賜物だと言えます。
試合前のシートノックから見ていて楽しみな選手ですし、特に三遊間から一塁へ送るボールは見逃せません。
参考:作新学院・横山陽樹は中学世界一の四番|大阪桐蔭戦を糧に大きくなれ
山梨学院・小吹悠人はホームランにも期待
守備だけの男では終わらない
守備で注目を集めることが主だった小吹悠人選手が、高校初ホームランを放ちバットで存在感を示したのは2018秋の関東大会でした。
千葉県大会を1位で突破した中央学院戦の6回、ランナーなしのツーアウトから「積極的に行く」と決めて入った打席で、レフトスタンドに深々と突き刺さる一発。
吉田洸二監督も試合後のインタビューでは驚きを隠せませんでしたが、5回に1点を返されてリードを縮められていた直後だけに値千金のホームランになりましたね…!
小吹悠人① 遊撃手
(いわきボーイズ→山梨学院)
レフトへの高校通算第1号HR pic.twitter.com/xI7C9bmArb— おくら (@okura_NHSBC) 2018年11月1日
守備の要として期待されつつ、それだけでは終わらない意地の一振りだったようにも感じます。
中学時代から走攻守三拍子揃った選手として注目されていましたから、今後はバッティングの方でも持ち味を発揮する機会が増えるでしょう。
スイングスピードは中学時代から定評
ちなみに小吹悠人選手がホームランを放ったのは偶然ではなく、これから更に増えていっても何らおかしなことはありません。
というのも、いわきボーイズ時代に中学生ながらスイングスピードは124キロを計測しているんですよね。
一般的に高校球児の平均は120キロ前後と言われていますので、中学の時点ですでにそれを上回るポテンシャルを秘めていたことがわかります。
レフトスタンドの中段まで運んだ当たりを見ても、相当なポテンシャルを秘めていますしね…!
強打の山梨学院において、どこまで成長を遂げるのかが非常に楽しみな選手です。
ドラフト期待の小吹悠人はライバルの存在で飛躍
1年夏に経験した悔しさ
楽天ジュニアにボーイズ日本代表と華々しい野球人生を歩いてきたように見える小吹悠人選手ですが、高校1年生の夏には挫折も経験しています。
山梨県大会でベンチ入りを果たしたものの、甲子園では背番号を掴み取ることができず。スタンドからチームメイトに声援を送りました。
60人近くいる部員の中で1年生から夏の県大会メンバーに選出されている時点で見事なのですが、このとき相当な悔しさがあったことは想像に難くありません。
小吹悠人 山梨学院2年
強肩を兼ねそろえた守備とパンチ力のある打撃が魅力の大型ショート。山梨学院では1年秋からレギュラーを掴むと2年春・夏と連続で甲子園出場。3番を務めるこの秋も花咲徳栄戦では決勝打となるタイムリー3ベースを放ち、チームにセンバツ当確ランプを灯した。#本日の選手紹介 pic.twitter.com/6MKLXhkU3w— ぶるーたす (@bluamabase) 2019年10月22日
実際に小吹悠人選手も、夏の甲子園で活躍する栗田勇雅選手の姿が特に目に焼き付いたようで、このときの想いを胸に練習に打ち込んだと語っていますね。
こういった苦い経験なしに大きな成長は無いといっても過言ではありませんし、小吹悠人選手を語る上では非常に大きなエピソードだと思います。
参考:栗田勇雅(山梨学院)はドラフト期待|中学は東北選抜の強打の捕手
ライバルの存在が球児を強くする
ただ、言い方を変えると1年生のうちにこの悔しさを味わっておいて良かったとの見方もできます。
入学当初からトントン拍子にいきすぎて、3年になって下級生に脅かされて自分を見失ってしまう選手も多いですし、何より高校野球で重要なこととして冬の厳しいトレーニングが挙げられますよね。
「悔しさ」や「挫折」がそんな局面で大きな原動力になることは言うまでもなく、初の甲子園でいわゆる「負の感情」を経験できたことは今後の大きな糧になるでしょう。
特に中学時代にバッテリーを組んでいた栗田勇雅選手という一番身近な存在がチームにいる以上、胡坐をかく暇もないでしょうし、今後の小吹悠人選手の成長が本当に楽しみです。
最後の夏、試合が終わった後に「ぶっちゃけコイツにだけは負けない気持ちで頑張りました」みたいなコメントをくれたらもう言うことはありません…!(熱闘甲子園でぜひ特集を!)
…それは半分冗談として、2020年のドラフト候補としても名前が挙がる小吹悠人選手が、どこまで大きく伸びるのか。
大舞台での活躍に期待して、応援していきたいと思います。
余談ですが、いわきボーイズ時代には1学年下で仙台育英の注目選手・渡邉旭選手ともチームメイトだったため、山梨学院対仙台育英のカードを今から心待ちにしています。
お互いに勝ち上がって、甲子園の上の方での戦いが観たいですね!
参考:仙台育英・渡邉旭は中学で選抜主将|抜群の打撃センスはスイングに秘訣