2019北海道大会

2019夏の南北海道大会・準決勝2試合の見どころと注目選手

2019夏の南北海道大会もいよいよベスト4が出揃って、7月20日に準決勝が行われる。

今大会は例年にも増して好ゲームが多く、決勝戦も含め残りの3試合も非常に楽しみだ。

準決勝のカードは第一試合が攻守ともに盤石の戦いを見せる東海大札幌と、準々決勝で北海をサヨナラで下し勢いに乗る札幌国際情報。

第二試合はエース・桃枝(もものえ)丈投手が投打に活躍を見せる北照と、札幌大谷・札幌第一と強豪を撃破した春の全道王者・駒大苫小牧。

甲子園を懸けて繰り広げられる熱戦に今からワクワクが止まらないが、ここまでの戦いを踏まえて準決勝の見どころを考えてみた。

目次

第一試合:東海大札幌VS札幌国際情報

この試合の見どころ

第一試合はやはり、好打者が並ぶ東海大札幌打線を札幌国際情報の投手陣がいかに抑えるかがポイントになると思う。

エース右腕の原田航介投手に、キレのあるボールを投げる左腕の帯川瑠生投手。左右の2枚看板が強打の東海大札幌に対してどのような投球を見せるかに注目だ。

そして東海大札幌は4人の投手陣の誰に先発のマウンドを託すか。

ハイレベルな投手が揃っているうえ守備も堅いだけに大崩れすることは考えにくいが、国際情報打線も相当良い。何より夏の戦いで重要になる「勢い」がある。

全校応援も一体感があり強力な後押しになることは間違いなく、地力では東海大札幌が優位と見られているが序盤の主導権をどちらが握るかで試合展開は大きく変わるだろう。

東海大札幌の注目選手

4人の投手で勝ち上がってきた東海大札幌は準決勝も継投のタイミングが鍵になるが、個人的に注目したいのは朝比奈虎太郎投手。

今大会では未だ登板がないものの、サウスポーからキレのあるボールを投げる好投手だ。

貴重な左腕だけにどのタイミングで起用するかも注目だが、先発のマウンドも十分にありえると思う。

鉄壁の二遊間を中心に今大会イチと言ってもいい守備を誇るだけに、大舞台でもミスなくプレーできるかも見ものだ。

また下位打線まで好打者がずらりと並ぶ強力な打線において、キーマンになりそうなのは柿澤英寿選手と山本海斗選手。

リードオフマンの柿澤選手は今大会もよく振れていて、変化球への対応力も高い。下位打線が良いだけにチャンスで打席に立つ場面も多いが、そんな場面を楽しめる精神的な強さも感じる。

山本海斗選手はサードの落ち着いた守備が素晴らしい選手。国際情報は右の好打者も多く、いつも通りの守備ができれば流れを引き寄せる存在になる。

ミートも上手なバッターだけに、小林珠維選手の後ろを打つ山本選手には期待している。

東海大札幌の強さについては以前も別の記事で触れたが、今年のチームは本当に強い。

準決勝では観客・応援とも一気に増えるだろうが、平常心でプレーできれば東海大札幌が決勝に進む可能性は高いと思う。

参考:東海大札幌が南北海道大会で注目を集めている本当の理由とは

札幌国際情報の注目選手

春の戦いから素晴らしいチームだと感じていたが、やはり夏も上がってきた札幌国際情報。強豪・北海をサヨナラで下したのは番狂わせでも何でもない。

今後の戦いで重要になるのは冒頭でも挙げた二人の投手だ。

まず2年生エース・原田航介投手だが、北海戦での投球は明らかに本調子ではなかった。

まあ総力戦となる夏に全試合を万全の状態で臨める投手など皆無に近いのだけど、1日の休養を経て原田投手がどの程度、状態を上げてこれるかは国際情報にとっても重要になる。

なぜなら原田選手はバッティングでも三番を任されている左の好打者だからだ。春に見たときにはその打撃センスに驚いたし、国際情報の中心選手であることは間違いない。

また原田投手と並んでマウンドに上がるサウスポーの帯川瑠生投手も素晴らしいピッチャーである。

北海戦ではリリーフでの登板となったが、彼の好投が勝利を呼び込んだと言っても過言ではないと思っている。

スライダーを右打者のインコースに集めて幾つも空振りを奪っていたし、東海大札幌戦では先発も十分にありえるだろう。有倉雅史監督の采配も見ものだ。

一方、バッティングに強さを見せた野手陣では、冨樫晋士三塁手と市橋武大遊撃手が気になる。

三遊間の守備を見ても動きが良く、明らかにこの二人は札幌国際情報の中心選手。

四番に座る2年生・秋田真一塁手が好調を維持しているだけに、前を打つ二人がいかにチャンスを作れるかにも期待がかかる。

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第二試合:北照VS駒大苫小牧

この試合の見どころ

右のサイドスローから最速143キロの速球を投げ込む北照のエース・桃枝丈投手と好調な駒大苫小牧打線。

もちろんその激突にも注目なのだが、個人的には駒大苫小牧の投手陣と北照打線の勝負が気になる。

駒大苫小牧は絶対的エース・北嶋洸太投手で夏を勝ち上がってきており、おそらく北照戦でも先発のマウンドに上がる気はする。2戦で300球近く投げていようと「自分がいきます」と言うような頼もしいタイプだろう。

ただ、もし北嶋投手以外のピッチャーを起用するなら先発以外にないと思うし、札幌創成戦で14安打を放った北照打線とどう戦うかは見ものだ。

北照としては星野央選手や斎藤優斗選手らをはじめとする打線が、どれだけ桃枝投手に援護点をあげられるか。例年ながら強打は健在だけに、打撃陣にも注目したい。

北照の注目選手

北照は何と言ってもエースで四番の桃枝丈投手が凄い。札幌創成戦では5安打で完封を収めた一方で、バッティングでも4安打を放った。

彼がヒットを放つと「おお、また打った」とスタンドがどよめいていた。

春に敗れた小樽双葉との代表決定戦では2本のホームランも放っており、171cmの身体にはものすごいパワーを兼ね備えている。

おそらく駒大苫小牧戦も連投になるが、球威のあるストレートを中心にスライダーもキレがある好投手だ。

また、リードオフマンの星野央選手も左の巧打者で、足もあるため彼のバッティングはチームに勢いを与えられる。

コースに逆らわないバッティングが出来る選手だけに駒大苫小牧としても警戒したい先頭打者だろう。

加えて、星野選手と並んでキーマンになりそうなのが三番・レフトの斎藤優斗選手。春には四番に座っていた経験もある左打者で、ホームランを打てるパンチ力も秘めている。

2年生ながら主軸を任される打撃センスはすでにチームの中心打者としての存在感があり、四番を打つ桃枝選手の前にこのバッターがいるのは北照の強みと言えるだろう。

駒大苫小牧の注目選手

もしマウンドに上がるとしたら綿路翔英投手に期待したい。2018秋には全道大会でも好投を見せていたし、2年生ながら勢いのあるボールを投げる投手だ。

また札幌第一戦では6点を挙げるなど好調の打線では、竹中研人捕手の打撃に注目が集まる。というか、もはや彼に触れないのは無理がある。

ホームランを打てるパンチ力はもちろん、札幌第一戦で低めの難しいボールをライト線に運んだ当たりは見事だった。

左中間に強い打球が飛ばせるあたりも打線の中心として非常に頼りになるし、やはり四番が好調だとチームに勢いが生まれるものだ。桃枝投手との対戦は非常に楽しみである。

そしてもう一人、五番・レフトの岩舘真斗選手にも注目したい。

竹中選手の後ろを打つ岩舘選手はミート力の高さに加えて器用さも兼ね備えており、バントでも相手守備を攪乱するなど状況に応じた働きが出来る。

初戦の札幌大谷戦で放った右中間への先制タイムリー二塁打は見事な当たりだった。

上位打線はもちろん、伊藤圭河右翼手や大沼恒介三塁手ら下位打線にも当たりが出てきているだけに、岩舘選手が力を発揮すると駒大打線はより機能するだろう。

高校球界随一の応援も力に変えて、好ゲームを期待したい。

参考:駒大苫小牧の野球応援(吹奏楽)はなぜ毎年あんなにも最高なのか

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