コラム

駒大苫小牧の野球応援(吹奏楽)はなぜ毎年あんなにも最高なのか

2004年に甲子園を制し、北海道に初の優勝旗をもたらした駒大苫小牧高校。

田中将大投手(現ヤンキース)を擁して挑んだ2006年には決勝で敗れたものの、夏の三連覇に王手をかけた戦いは道内を大いに盛り上げ、北海道の高校野球において文字通り「歴史を変えた」チームであることは間違いありません。

2019春の北海道大会でも優勝を飾るなど現在も人気の実力校として毎年強いチームを仕上げてきますが、この記事では「ブラスバンドの応援」に焦点を当ててみました。

というのも、吹奏楽部が奏でる駒苫の野球応援に魅せられて球場へ足を運ぶファンも少なくないんですよね。毎年甲子園を目指す選手たちにとってこれほど力になるものはないでしょう…!

生で聴くと毎回鳥肌が立ちますし、実際にビハインドの状況から球場の雰囲気を一気に変えてしまう場面は何度も観てきました。

今回の記事はいつにも増して主観が強くなりますが、駒大苫小牧が誇る全国屈指のブラバンについて特集してみたいと思います。

駒大苫小牧の野球応援は最高である【動画有】

もはや甲子園でもおなじみのため多くの野球ファンはご存知かと思いますが、結論から言うと駒大苫小牧の野球応援は最高です。

北海道にいるときには大会にほぼ毎日通うのでわかる(ぶっちゃけ薄々気付いている人も多い)のですけど、実際のところブラバンが来るか否かで観客数は全然違います。

これは全国的に見ると習志野高校なんかも一緒ですね。球児のプレーはもちろん、吹奏楽の素晴らしい応援に魅せられている野球ファンがいかに多いかは今さら述べるまでもありません。

…と、御託を並べる前にまずは動画をご覧ください。

執筆の際、甲子園出場校などの応援をBGMにしてテンションを上げているくらいには高校野球に侵されているのですけど、駒大苫小牧のブラスバンドは全国的に見ても別格なのではないかと。

ただ「別格」「最高」などと表現してもあまりにも伝わらないので、その魅力をお届けしていきたいと思います。

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駒大苫小牧の野球応援に感じる「大前提」

前述の通り、観客動員数に影響を与えてしまうほどの人気を誇る駒大苫小牧のブラスバンド。

言ってしまえば主役としての存在感すらあるわけですが、何が素晴らしいって大前提として「脇役」のスタンスであり続ける点だと僕は思います。

あくまで野球部を応援するためにあるというか、そんな空気感を常に感じるんですよね。これは当たり前のように聞こえて意外と難しいものです。

たとえば吹奏楽部はめちゃくちゃ上手なのだけど球場では何か違う…イマイチ乗れない……みたいなことも珍しくないのですが、その原因に「野球応援として作っているか」は大いに影響していると思っていて。

「モテるためのメイク」と「パリコレを歩くメイク」では大きく異なるように、吹奏楽の目的も聴かせるためなのか応援のためなのかではまったく違います。

野球応援のためという前提を崩さない駒苫のブラスバンドが、本当に素晴らしいと感じる所以です。

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駒苫のブラバンが野球ファンに愛される7つのポイント

選手たちの奮闘と共に、甲子園でも多くのドラマを引き起こしてきた駒大苫小牧の応援。

現役時代も含め、僕自身も数多くの全校応援に心が震える経験をしてきましたが、全国トップクラスのブラスバンドであることは間違いありません。


なぜここまで絶賛の声が相次ぐのか、駒大苫小牧のブラスバンドに高校野球ファンが魅了される理由について見ていきましょう。

圧倒的な迫力

まず注目ポイントとして挙げられるのが、圧倒的な迫力だと思います。

初回の攻撃開始時に一気に引き込まれ、その1回の攻撃が終わる頃には2回が待ち遠しくなった経験をしたのは僕だけではないでしょう。


昨今では習志野や大阪桐蔭をはじめ「美爆音」と称される野球応援が全国的にも注目されおり、駒大苫小牧の吹奏楽もまさにその1つと言えますね。

幾度となく劣勢をひっくり返して逆転勝利を収めてきた駒苫ですが、その裏に応援の力があったことは言うまでもなく、1点返しただけでも大きく盛り上がるブラスバンドによって「何とかなる気がしてくる」と前監督の香田誉士史さん(現・西部ガス監督)も話していました。

高校野球におけるブラスバンドの後押しはチームを後押しするのはもちろん、守る相手チームを追い込んでいく上でも非常に大きな効果がありますからね…!

流れを引き寄せる上で、球場を味方につけることができる応援団がいることは相当に心強いものだと言えます。

流れをつくるスピード感

駒大苫小牧のブラスバンドは単に音が大きいだけでなく、テンポが速いため観客が乗りやすいことも大きなポイントになっています。

結構これは重要だと思っていて、高校野球ファンって試合ごとに「自分はこっちを応援する」と決めている人は意外と少ないんですよね。

それよりも「いい試合を見たい」とか「球場の熱量に触れたい」いう願望の方が遥かに大きいと個人的に思っているのですが、そんな観客を一気に味方につけてしまうのが駒苫のスピード感溢れるブラバンの力です。


このテンポが生まれた背景を聞いて納得したのですが、当時のチームを率いていた香田監督のスピード感がある野球に合わせるために吹奏楽部が「テンポ180(1分間に180拍のスピード)」をベースにしたそうです。

甲子園で優勝を果たしたときの駒苫を生で観た率直な感想としては、攻撃にしても守備にしても「ダイヤモンドが小さく見える」ことだったので、まさに!と思わされましたね。

またヒットを打ったりホームランが飛び出したりした際には当然スタンドも盛り上がるわけですが、あまりそれを引きずりすぎないというか。すぐに次の応援曲へ移るリズムの良さも「流れ」を引き寄せる上では一役買っているといえるでしょう。

選曲が絶妙

駒大苫小牧の応援が人気の理由として、選曲が絶妙であることも欠かせません。

一般的な高校野球応援で使用されがちな楽曲が少なく、且つオリジナルにアレンジされているので他校とかぶることが極端に少ないと言えます。

最近は駒苫の応援を参考にするチームが増えてはいますが、それらが単に「パクリ」と揶揄されるのも違って、良いものが真似されるのは何をやっても一緒ですよね。

この方の意見なんかは完全に同感です。「ジョックロック」だって他校もドンドンやったらいいと思いますが、やはり智弁和歌山には敵いません。

話を戻して、高校野球の応援ではトレンドの曲が使われることが今では鉄板になりつつあります。かつては「夏祭り」がそうだったし、「あまちゃん」なんかもかなり流行りました。

J-POPではないですが、ここ数年では「アゲアゲホイホイ」もそうでしょうか。(駒苫も一瞬、攻守交替のときにやっていた。一瞬。どうしてもやりたかったと見える。)

トレンド曲は毎年1つの楽しみでもあるのですが、駒大苫小牧はむしろ懐かしい曲であったり「どこかで聞いたことがある」ような曲をアレンジしている印象です。

耳馴染みのある曲だから観客が乗っかってきやすい面は大いにあるでしょう。

最近取り入れられている、ももクロの「行くぜ!怪盗少女」は、ももクロの大ファンでもあるマー君をなんとなく想起させてくれるのでそれもまた良いのです…!

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トータルの組み立て

また駒大苫小牧の応援が秀逸なのは、9イニングを通しての組み立てです。

たとえば3回・5回・7回などはイニングの入り方を工夫していたりしますし、試合展開とは別の楽しみをもたらしてくれます。

グラウンド整備が入る5回終了時にもしっかりと楽しませてくれるので、試合の折り返しでトイレ休憩を画策している方はマジで気を付けてください。立ち上がれない可能性大です。

もっと言うと試合前の準備時間すらも心地好い打楽器が鳴り響くため、ただただ聞き入ってしまうんですよね。

これはちょっと次元が違うというか、1試合が1つの作品であるかのような印象さえ受けます。

普通であれば退屈な時間まで180度変えてくれるなんて、なかなか出来ないですからね…。見事な発想にただただ感謝を伝えたい気持ちです。

生徒・父兄も含めた一体感

また吹奏楽部の演奏以外にも素晴らしい点として、圧巻の一体感も見逃せません。

通常であれば野球部員と全校生徒には少なからず温度差が生じてしまったりするものの、駒大苫小牧の応援ではメガホンの動きまですごく綺麗に揃っています。

僕は野球部だったのでそれが普通でしたが、応援に駆け付けた生徒たちまでしっかり団結してくれるのは野球部員からすると頭が上がらないのではないかと。

本当にありがたいことなので、掃除当番とか頑張ってほしいですね!


またその一体感は父兄も一緒で、「支えてくれる人たちの温かさ」みたいなものも感じられるのが何とも言えない気持ちになります。

チアもめちゃくちゃかわいい

吹奏楽の素晴らしい演奏に加えて、ハイレベルなチアも見事です。

僕はまったくダンスなどの類には詳しくないですが、ここまで揃えることの難しさくらいは想像できますし、ぶっちゃけ正面から見たくて反対側のスタンドに陣取ったことが何度もあります。

(同じような人が絶対たくさんいる。応援するのが反対になるため周りのお客さんとはやや変な空気になる。)


遠くから見ても動きがハッキリとわかるし踊りはかわいいし、振り付けを考えている方々は本当に天才的ですよね…!

駒苫の応援を芸術的なものにしているのは、レベルの高いチアの存在もめちゃくちゃ大きいと思います。

とりあえず得点時が可愛くてたまらないので、駒大苫小牧の打撃陣には大いに期待している次第です。

選手や相手チームへの配慮が凄い

最初にお伝えした「主役は選手」との前提にも通ずるのですが、駒苫の応援が称賛される理由は随所で見られる気配りに表れています。

有名なところで言うと、相手チームがタイムをかけた際に吹奏楽の音量を下げる配慮もその一環ですね。


駒大苫小牧ではフォアボールなどの際にバットを投げず、その場にスッと置くこともよく話題になっていますが、そういった選手たちの取り組みとも相まってすごく気持ちが良いです。

相手チームへの気遣いに加え、自陣の選手たちを落ち着かせる意図もあるとのことで大変驚きました。

また、やや細かな点にはなりますが、攻守交替の際って双方の応援が入り混じるんですよね。

  • 守備側:守備についた選手たちの鼓舞
  • 攻撃側:攻めるための勢いづけ

暗黙の了解的な感じにはなっているものの、お互いに自分たちのペースで延々とやってしまうと音量が重なって単なる雑音と化してしまいます。

その点、駒大苫小牧のブラスバンドは相手の出方に合わせて演奏を始めるため、音のストレスが一切ないんですよね。

応援曲を参考にされる立場だとは思うのですが、相手チームをリスペクトする姿勢においても大いに真似てほしいなと感じます。

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駒大苫小牧の吹奏楽部は完全に戦力

駒大苫小牧が誇る野球応援の素晴らしさについてお伝えしてきましたが、もはや野球部の戦力ですね、完全に。

この応援の中で野球が出来る選手たちは本当に幸せだと思いますし、厳しい練習を重ねていく上でも支えになっているのではないでしょうか。

余談ですが、いつも野球応援の指揮を執っている吹奏楽顧問の内本健吾さん(もし違ったらどなたか教えてください…!)のスタンスが最高に素晴らしくて、毎回感動しています。

追い上げムードのときには得点時の盛り上げを引っ張って大きめに演出したり(動画21分50秒あたり)、流れが来ているときには「駒苫チャンス」で畳み掛けたり、采配が素晴らしくて普通にファンです。

また今回の記事を書くにあたって初めて知ったのですが、定期演奏会なるものが行われているようで、ぜひ参戦したいと思いました。

駒大苫小牧にはブラスバンドの応援の力も借りながら、また甲子園を大いに沸かせてほしいですね!

参考:国学院久我山の魔曲「一本」が最高すぎて耳から離れない問題について

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