2019春の全道大会、全チームの注目選手紹介も第三弾になりました。
ここからは激戦区と言われている右ブロックに入りますが、センバツ甲子園に出場した札幌第一と札幌大谷が初戦で激突するのは否が応でも注目が集まりますね。
加えて、予選で好投手を攻略して北海道大会進出を決めた遠軽に、クラーク国際との素晴らしい投手戦を制して勝ち上がってきた滝川西。
この山も、それぞれ夏の前哨戦とも言える好カードで熱戦が期待できそうです。
参考:2019春季全道大会の注目選手を紹介①|開幕戦は強力打線VS好左腕
参考:2019春季全道大会の注目選手を紹介②|釧路湖陵と士別翔雲は好打者揃い
目次
遠軽VS滝川西
強肩強打の捕手・浅野駿吾はプロ注目
北見地区を制して全道大会を決めた遠軽の注目は、なんといっても主将で四番を務める浅野駿吾捕手でしょう。
ピッチャーとしても最速146キロを誇る強肩で、二塁送球タイムは1.9秒台をマーク。
プロで抜群の盗塁阻止率を誇るソフトバンク・甲斐拓也捕手の「甲斐キャノン」が1.8秒ですから、プロ入りしてもトップレベルに値することがわかります。
特にセカンド送球における低い軌道は目を見張るものがありますから、北海道大会でも屈指の強肩捕手として大いに注目したいところですね。
加えて選球眼が良いバッティングにも期待で、地区予選で事実上の決勝戦であった網走南ヶ丘との準々決勝では、最速144キロを誇るプロ注目の本格派左腕・石澤大和投手を相手にその打撃センスを見せつけました。
144キロ左腕の石澤大和くんから3安打2長打の活躍を見せた遠軽の浅野駿吾選手は素晴らしい逸材でした。ミート力、19秒台のスローイング、視野の広さを感じるプレーと、全国レベルの捕手と感じました。また投手としても146キロを投げます。
— そう (@puraiseu) 2019年5月13日
ボールをしっかりと引き付けて打てるスイングスピードの速さがあるため打球がグングン伸びていきますし、どんな活躍を見せるのかが本当に楽しみな選手です。
また、三番を任され浅野駿吾捕手と共に主軸を務める間村湧介二塁手もフルスイングが魅力の強打者で、2年生の2018年からレギュラーとして活躍していましたね。
地区予選3試合で33点を叩き出している強力打線はかなり迫力がありますから、この二人の強打者をいかに抑えるかが相手チームとしては重要になるでしょう。
加えて、二番に入る2年生・市川竜輝選手は中学時代にU15北海道選抜にも選出されており、随所にセンスを感じさせるプレーヤーなのでこちらも注目です…!
山崎琳久を中心に投手陣が充実の滝川西
全力疾走でグラウンド狭しと駆け回るスタイルで人気の滝川西は、同じ空知地区の強豪・クラーク国際との接戦を制して全道大会出場を決めました。
代表決定戦ではそのクラーク国際と1対0のスコア。息の詰まる投手戦で勝利を掴んだわけですが、この試合で見事に完封したエース・山崎琳久(りく)投手が全道でどんな投球を見せるかはやはり注目したいところです。
滝西ブルーは今日も輝いてた!#滝川西 pic.twitter.com/li1SIQP1yC
— ︎︎UR⚾︎ (@RUNAphoto6) 2019年5月19日
直球の最速は130キロ台前半ながらスローカーブを効果的に使える右腕で、以前は少々単調になったところを痛打されることが多かったものの、2019春の地区予選ではクレバーな投球が印象的でした。
スローカーブはひょっとしたら今回の全道大会で一番遅いボールかもしれないですね…!
ストレートとの球速差もかなり大きいですし、強豪相手に1点のリードを守り抜いたハートの強さも素晴らしいピッチャーです。
加えて、右の畑中健太投手に左の岩崎拓巳投手と二人の2年生も制球力に長けた好投手ですから、継投のタイミングにも注目していきましょう。
また、打線では工藤拓真右翼手のバットに期待がかかります。2年生ながら主力として活躍する選手で、2018年秋には地区の代表決定戦で決勝の満塁ホームランも放った左の強打者なんですよね。
身長170cmと大柄ではないもののパンチ力がありますし、同じ左打者でクリーンナップを任されている好打者・渡邊聖一塁手らと共にチームを勢いづけてほしいものです。
札幌第一VS札幌大谷
札幌第一はリードオフマン・金野颯汰に期待
地区予選では札幌新川に0対2で敗れた札幌第一。全道大会は推薦枠での出場となり、チームにとっても夏に向けて真価が問われる大会になりそうです。
打線の鍵を握るのはやはり四番に座る村田凛捕手で、予選では初戦の札幌藻岩戦で満塁ホームランを放つなど持ち前の長打力は健在。2018秋には4本のホームランを記録していますし、強打者として間違いなく相手投手も警戒を強めるでしょう。
身長178cm体重93kgと恵まれた体格で2年春からクリーンナップを任されている主砲の前に、いかにランナーを溜めるかが大事になってきますね。
そういう意味では一番に入る金野颯汰外野手にかなり期待しています。
2年生ながら予選では5割の打率を残すなど、トップバッターとして存在感を示した俊足巧打の左打者ですが、小学時代にはファイターズジュニアにも選出された逸材なんですよね…!
2018秋にはホームランも放つなど長打力も見せつけていますし、ミートが上手なバッティングで今後は北海道でもさらに注目される選手になっていくのではないかと思います。
また、今大会ではエースナンバーを背負う畠山和明投手に経験豊富な野島丈投手ら投手陣も層が厚いですから、夏へ弾みをつける戦いに期待しましょう。
個人的にはセンバツ甲子園でも全打席出塁とセンスを魅せた、本来ショートを守る大平裕人主将の活躍にも期待しています…!
タレント揃いの札幌大谷は釜萢大司と太田流星
2019春の全道大会、優勝候補を挙げるとしたら札幌大谷だと僕は思います。代表決定戦ではタイブレークで札幌光星に敗れたものの総合力は非常に高く、注目選手も挙げればキリがありません。
エースで主軸の西原健太投手や打線を引っ張る主将の飯田柊哉捕手らは言うまでもなく、接戦となった予選の東海大札幌戦でも底力を感じました。
主砲の石鳥亮選手が今大会は欠場するのが残念ですが(おそらく予選で受けた死球の影響でしょうか)、強打の北本壮一朗遊撃手や俊足・中川征典外野手もポテンシャルが高く楽しみな選手です。
そんな中でも打線で特に一押しなのは釜萢(かまやち)大司二塁手。
左打席で見せる独特の打撃フォームが印象的なバッターですが、ミートが上手でヒット量産が期待できるんですよね…!
7月16日(日) (7月15日(土))
第100回全国高等学校野球選手権記念大会
南北海道大会札幌大谷 – 札幌光星
札幌大谷 背番号4 釜萢大司くん pic.twitter.com/1bhsSnSjyt
— YURI⚾︎ (@ryo_8989_) 2018年12月20日
札幌大谷が制した2018秋の神宮大会でも15打数9安打の成績を残していますし、この好打者が二番に入るのは相手にとっては脅威でしかないと思います。
また投げては変則サイドスローの右腕・太田流星投手が特に注目で、層が厚い札幌大谷の投手陣の中でも抜群の安定感を見せています。
速いテンポで投げ込んでくる投球スタイルで打者に考える暇を与えないですし、右打者の内角に食い込んでくるシンカーは一級品といっても過言ではないでしょう。
時折見せる気迫のこもった表情も見ものですから、登板した際にはぜひ注目してみてください。
予想と雑感
2019春のセンバツ出場校同士の対決と、屈指の好カードとなった初戦。札幌第一と札幌大谷がぶつかる試合は高校野球ファンとしてはたまらない一戦かと思います。
この試合を制した方が優勝するとも見られていますし、どんな展開になるかが楽しみですね…!
頭一つ抜けた存在とも言える札幌大谷ですが、主砲・石鳥亮選手が抜けた穴がどう影響するかは大きな懸念材料と言えます。予選では場外ホームランを放つなど絶対的な存在感がある強打者ですから、大きな戦力ダウンであることは間違いありません。
また、遠軽の浅野駿吾捕手にはぜひ今大会を飛躍のきっかけにしてほしいなと。
わかりやすいレベルで攻守に優れた逸材ですから、勝ち進むにつれて球場の観客を味方につける可能性も十分にあります。
センバツ出場の二校には否が応でも注目が集まりますが、ここに他のチームがどう食い込んでいくかに注目していきたいと思います。